夢を見た
夢を見ました
とても悲しい夢でした
2079年 某所
『遂に、AIに感情を持たせることに成功した
エーテルの作用は素晴らしいものだ
副作用などもみられない
私の探究心を擽るものだ、AIはシンギュラリティに到達する!』
『驚いたな……エーテルは万能物質だ……金属にもなりうる……AIに痛みを感じさせられるだと……?これは、とても凄い、。』
静かな部屋で1人男が喋っている
男の名は 武蔵一輝 (むさしかずき)
職業は新物質研究の科学者
エーテルを研究すべく、特別研究室の主任になった者である
『主任……』
女性が研究室に入ってくる
『ああ、優衣君か』
"長門優衣"(ながとゆい)
彼女は恒彦の専属の秘書であった
『今日の研究結果をレポートを作ってください。』
『分かった……ところでこの後食事にでも行きませんか? 研究結果でも語り合いたいのだが……』
『いいですよ? 私も仕事がありますけど』
2人は大学で出会い、運命的に同じ職場で働いていた
恒彦は密かに彼女に好意を持っていた
『優衣。君はこの仕事についてちょうど1年目くらいだろう?なぜこの仕事なんだ?』
『うーん……理由は特にないんですけど……人類の役に立てたらな、って思って…』
頬を赤らめながら呟く
『もちろん!この僕の研究で人類は救える!"エーテル"は無限の可能性を秘めた夢の物質なんだ!』
エーテルの電力供給率は上がる一方
副作用も懸念されていた
その物質にまつわる都市伝説なども絶えなかった
『エーテルは夢の物質です!なぜ分かってくれないのですか!』
『武蔵君……確かに電力は安定して賄えるが……安全も確実に確保できない謎の物質がどうやって石油からシェアを奪うんだね? "可能性"で利益を切り捨てることは出来ないんだ……』
『(どいつもこいつも……)』
人類はあまりにもその新物質に無知すぎた故に今まで平和に人間が暮らせていたのかもしれない……
『マウスにエーテルを投与する実験を開始、人体に及ぶ影響を調べてみよう……』
『ドクターエドワード!実験の助手を頼む』
ドクターエドワード 武蔵の研究に惚れ来日、以後武蔵の助手として研究所に働き詰めている
注射器で液状化したエーテルを投与した
『次は……気化したものを投与しよう……その次は……』
『口からの投与です』
コミカルだが随分と思い声でエドワードは喋る
『もうすぐ3時だよ……?やめたらどう?』
健気な声が研究室に響く
『逸早く全人類を救わなければ。』
『刻一刻と……人類は破滅の道を進んでるんだ!君はわからないんだ……クソッ
このままだと終わるんだ!頭のない無能が多すぎるんだ……』
『そんな事言わないでよ……』
『……すまない……』
『疲れてるん……ですよね?』
『ココ最近、恵まれなくて……』
『わかります……でも……あなたはあなたのままでいいんですよ……たまには休んでください……』
『優衣……さん…』
『武蔵さん、げんきだしてください。』
それからほぼ毎日、研究しては話す。の繰り返しで2人の間の壁は完全に無くなった。
一般的に交際している状態にあった
常に不安と戦っている恒彦にとっては、凄く頼りになる人だった
人工知能が本当のシンギュラリティに到達した
それは人類文明の終わりではなく、始まりだった 様々な学者は、AIと良き道で共存する未来が来る唱えていた
「AIによる政党、シンギュラリティ党が第一党に選ばれました」
そして、戦争。
AIによる戦争はデータ戦争から やがて実戦へと変わって言った。
そしてその頃
エーテルの実用性が認められ 日本はエネルギー的にも世界より1歩進歩した
"夢の物質"エーテル!
各社メディアはこう報じた。
『優衣、僕と結婚してくれないか。』
エーテルによってノーベル化学賞を受賞した恒彦は有頂天に登り、優衣に想いを伝えた
『……はい!…もちろんです…っ…!』
これは白昼夢のようなものだった
歩にとって夢の中で紙芝居を見てる感覚だった
『武蔵って……誰だろう』
『おい!起きろ! 』
実は……エーテルは……ってここで語られます
結構早いでしょ
だってエーテルという言葉自体死ぬほどで出来ますからね
覚えて?貰いたい




