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頭が痛い。
僕は確か女子高生のお悩みを聞いていたはずである。
ほとんど女の子と会話をする機会がなかったから、ちょっと期待はしていたことは否めない。
しかし、僕は目を覚ますと白いベットの上にいた。目を開けて最初に見たのは白い天井である。
体を動かして起き上がろうとしたが起き上がれなかった。そして、口に猿ぐつわ、手と足がベットに括りつけられていることに気がついた。
女子高生と話した記憶はほとんどない。もちろん、このベットの上にくくりつけられている理由もわからない。
僕が今いる部屋は真っ白で、四角い。あたりに窓のようなものは見当たらない。ただ、静けさを感じるだけである。そして、白い四角部屋のど真ん中でベットに括りつけられている。
さらに気がついたことがあった。僕はいつも来ている洋服ではなく、真っ白い布のようなものを来ている。映画で見たことあるような人体実験場から逃げ出してきた人間が来ているような服である。
そうか、僕はこれから人体実験の生け贄にでもなるのだろうか?
僕が恐怖に怯えていると、遠くの方から誰かがこっちに向かってくるような足跡が聞こえてきた。
コツン、コツンと、革靴の底が店舗よく廊下の床を叩いている音だ。
僕は大きな声を出そうとしたが、猿ぐつわのせいで大きな声は出せなかった。ただ、ひたすら声にもならないような音量で唸っているだけであった。
僕がベットで暴れていると、部屋のドアが開いた。映画のワンシーンであれば大抵部屋のドアは、自動ドアのような気もしないでもないが、手動で前後に開く一般的なドアであった。
「あら、お目覚めみたいね」
僕は、声のする方に視線を向けた。しかし、その方向まで首が回らずただ声のする方向に集中力を向けることが限界だった。声から察するに女性のように思えた。
「いいのよ。そんな無理をしなくて」
コツン、コツンとゆっくりと僕の方に近づいてきた。
そして、僕の顔を覗き込むようにしてその女は僕を見た。
「あなたは、ルールを破ったのよ。あれは、反則よ」
女は笑顔で言った。
「ゲームの参加者同士が、ゲームの話をしてはいけない決まりになっているの。ちゃんとルールブックは読んだのかしら?まぁ、大抵の人が読まないわよね。でも、ルールがある中で争うからゲームなのよ。ルールの無いゲームは、ゲームじゃ無いわ」
僕は女の話の内容で理解はしたものの、一刻も早く自分の拘束を解いて欲しいがために僕は一生懸命にベットを揺らした。
「あらあら。だいぶ元気なのね。フリーターと聞いていたから、体力が有り余っているのかしら?若いって怖いわね。そんなに元気なんだったら、もっと女の子と遊んだらよかったのに。ふふふ」
女は、四角部屋を一周して僕の方にやってきた。
「まぁ、残りわずかの人生よ。このベットで白い天井でも見ながら、人生の走馬灯をゆっくりと楽しみなさい」
僕に捨て台詞を残して、女は入ってきたドアの方にゆっくりと歩いた。
依然として僕はベットの上で暴れていたが、暴れていたことが功を奏したのか僕を拘束していた両手両足の拘束具が取れた。
そして、僕はベットの上から飛び降りた。
拘束具が取れたことに気がついた女は、振り返って僕を見た。
「あら、本当に元気なのね。羨ましいわ本当。若いって」
僕としては本意ではなかったが、ここから脱出するためにはこの女を倒すしかなかった。
人生において出したこともない腹の底から大きな声を出して、女めがけて突進をした。
女は突進してくる僕に対して一瞬身構えた。
しかし、すぐに僕の視線は地面と並行になり目の前の壁を見ていた。
女は隠し持っていた警棒で、突進してくる僕の頭をおもいっきり叩いたのである。そして、僕は地面に叩きつけられ頭から大量の血を流した。
「やだやだ。本当。私、血って嫌いなのよね。。。臭いから」
女は、汚い何かを扱うように警棒についた血を振り払った。振り払った血は、真っ白い部屋の壁に飛び散った。
「まぁ、いいわ。どうせこの子、この後始末される予定だったし。手間が省けたってことで許してもらいましょ。さてさて今度は女の子の方に行かないと」
薄れゆく意識の中で、女の足音がどんどん遠くなっていくのがわかった。
ああ、そうか僕は死ぬのか。こんなところで。
やはり、へんな話に旨い話はない。絶対に裏があるのだ。
ああ。ついてない...
これにて完結。。。。。おいっ。




