料理長「魔界と人間界の違いを実感するなぁ」
おれは魔王。つい1分前まで、料理長とのサバイバル鬼ごっこをしていた者だ。
「ここまでくればいいだろう」
料理長は人混みが苦手なのだ。おれの作戦勝ちである。今おれは、人間界の町にきている。つまり人間がいっぱいいるのだ!勝負あったな料理長ぉ。お前はここから先にこれまい。
「お前は克服しなければならない」
おれはそう言いながら、路地裏の方を見る。料理長の目だけが浮かび上がって見える。ホラー映画序盤のような雰囲気である。今路地裏に行ったら瞬殺される間違いない。
「魔王さまぁ…。置いていかないでくれぇ。大人しくするよぉ」
料理長が情けない声を出している。珍しいぞ!料理長から大人しくする宣言が出るなんて。明日は氷が空から降ってくるかも知れんな。いや?魔界じゃないからそうそうないなっ!
「俺を置いていったらぁ。人間が寝静まった頃に、魔王さまの寝首かくぅ。グスっ」
「仕方がない。手をかせ、さっさといくぞ」
俺は路地裏のまで引き返した。決して料理長の寝首かく発言が怖かったわけじゃないぞ。料理長が哀れだったからだぞ。そこっ、笑うんじゃない!
魔王さまバットエンド回避END!