表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王さま〇〇END  作者: 天墨 咲久楽
ローズクォーツ
152/163

ローズレッド

 見渡す限り、全てのモノが赤く燃えあがっていました。どうやら私は選択を失敗してしまったようです。長く伸びた白髪が弟の表情を隠し、人智を超えたものであることを、一層強調しているようでした。


 私は弟に手を伸ばしましたが、弟は私に一瞥もくれずに去っていきました。


 弟が去っていってから、そう長くない頃。お姉様が私に、弟が各界を荒らしているという話しをしました。のちにわかったことですが、それは突然弟を自由にしてしまった私の責でもあったのです。


 巨大な星の丸い形をしていた頃の弟は、宇宙でそれはそれは静かな眠りをしていたとお姉様は語ります。人型を得た彼が最も苦労したこと、それは眠り。


 どれだけ眠ろうとしても、微かな生命の音にすら邪魔されてしまっていたそうなのです。そんな音に慣れてきた頃、私が弟に魅了の力を使ってしまい。眠りの際に聞こえてくる音が、私の鼓動の音だけになってしまったのです。そう弟には予期していなかった、微かな音の眠りを知ってしまったのです。


 ですから、弟が私の魅力の力から解放された時。真っ先に行ったのは生命達の駆除であったのです。私と時を過ごしていき、人型らしい感情をもった弟ならいざ知れず。魅了の力と共にその感情さえも失ってしまったかのようでした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ