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グレイアウト(中編)
僕が娘と共に過ごして行く中。外来世界の人界は、理性なき竜達によって侵略され崩壊していく。博士としての僕は、暗殺者であった頃とかわらず役目をこなし。そして、娘と過ごす時間が減っていく。
僕は娘の最後に立ち会うことができなかった。
元々生物を作るのが苦手で、そう長くは娘が持たないとわかっていた。それに、娘と僕とではやはり体の構造や強さがあわない。僕からは何も与えられなかった。けれど、僕の手元に娘の脳が残った。そこから、外来世界での出来事は覚えていない。