グラムルック
俺はメルトグラム。宝石のような輝きを持つ魂が好きであり、内在世界に自ら招くことすらある。輝きを持つ魂の持ち主は、大抵の者が善性の持ち主だ。だが、全ての者が善性というわけでではないし。時間の経過と共にその輝きを変える者もいる。
「グラムの兄貴ィ!助かったぜェ。でも引き上げてくれる前に見てくれよォ。あっちに横穴があるんだぜ!なァ、一緒に見に行かねェか?」
「うむ。俺も一緒に行こう」
そうして、俺は夜ツ矢火乃香と共に横穴をいく。道中、地図についているメモを確認し。やはり気のせいではないと思った。そう、文字の筆記に見覚えがあるのだ。ここ数日別行動をしている、クトゥクルーの筆記である。
クトゥーの手のひらの上、というわけであれば。まあ、悪い結果にはならないだろう。そう考えて進んだはずなのだがな?今会うと気まずい相手が終着点にはいたのだ。
「げェ!?オマエこんなところにいたのか!亜久次!」
「なんだい?君が僕のことを気にするなんて。夜ツ矢らしくないね?」
ふむ、合わせないように努力はしてきたぞ?夜ツ矢火乃香と亜久次海夢が、横穴の先の洞窟で出会ったのだ。檻の外で警戒している夜ツ矢火乃香に対し、檻の中の亜久次海夢はリラックスしている。