メルトグラム
俺はメルトグラム。内在世界の星の管理者にして、クトゥーの宝石だ。クトゥーと俺は内在世界の並行世界を束ね、統合世界へと変えた。それが今の内在世界の形であるゆえに、内在世界=統合世界となっている。まあ、難しく考えることはないぞ?楽しめた方が良いと俺の親友も言っていたからな。
「グラムくん、今は何を考えているのかな?」
「それは……ふむ。言わせようとしていないか?」
隣にいる親友クトゥーは、俺が考えていた事を自然と言わせようとしてくる。だが、親友だなんだと口にでもすれば大抵の場合。クトゥーが調子に乗って、俺にとってもいい結果にならないだろう。
まあ別に口にせずとも、何度か口がすべって親友だといってしまっているのでな。そんな俺のことを把握しているのか、クトゥーはにこにこと笑っている。わかっていても言われれば嬉しいものなのだろうか?
「さっきはありがとね!今日はハコネと二人でお昼の予定だったでしょ?」
「ああそれか。クトゥーが最後の住人を、復活させている間に。次の約束をしたぞ?しかし、その間の復活は誰がかわるのかという問題があるのだが……」
「ならよかった!それじゃ、僕が代わりにやっておくよ!二、三日もすればハコネくんの魔力も回復するだろうからね!」
「ああ……それでだな」
「最初の二、三日以外は自由にしてていいからね!それじゃ、一週間後ぐらいに迎えに行くよ!またね!」
クトゥーは、俺がお礼を言う前に飛び出していった。たまに長めに別行動をさせてくれるのはいいのだが、俺がお礼を言う前にいってしまうとは。しかも迎えにくるとはいっていたが、曖昧な感じである。
そんな時間感覚が曖昧ドラゴンなクトゥーではあるのだが。必ず早めに迎えにきているようなのである、俺が鈍いだけなのだろうか?俺だけ気づいていないらしく、多くの界の住人が目撃しているらしい。
それはそれとして。月光浴なり日光浴なりができ、元宝石としては大変嬉しい時間である。あまりじかんを気にせず、自由な時間を過ごしたい所だ。