獄界の夜
俺はクトゥーと共に獄界へと向かっていた。たどりついた町中で調査を始める前に、俺はクトゥーに話しかけることにした。静かにのジェスチャーをされてから、俺たちはここまで互いに無言だったのだ。べつに、気まずい雰囲気だったってわけじャあない。なんかよくわかんねェけど、同族意識。それも悪いほうじゃあないので、あんま気にしないことにした。
町中の風景は、地球の昔の日本によく似ている。ドラマの撮影でつかわされてそう、とか何とか思うのは。ちっさい頃に親父が見てたのを、昼寝の時にちょいとみたからかァ?
「もう夜は明けてるはずだよなァ。他の界なら1日のサイクルってもんがあるけど。ここにはそいうのないのかァ?」
「へんだよね!だから、僕らがこうして獄界に調査にくることになったんだけど。僕らの友人のグラムくんとロストくんはさ。暗い場所だと眠くなりやすいでしょ?だから2人には秘密で僕らだけで解決してしまおうかなって!」
「なるほどなァ。そいつは良い提案だとおもうぜ。ンだけど、俺は調査とかむいてねェぞ?だから、そういうのはクトゥーにまかせるぜ。俺は戦闘要員ってことでいいか?」
「うん、ありがとう。話しが早くて助かるよ。じゃあ、何かわかったら伝えに行くか呼ぶからね!」
何気にクトゥーと2人きりになったのは初めてだったが、こいつ意外とテンションが高いなぁ。などと思いながら、俺はクトゥーを見送った。
「アッ!?どこで集合するか決めてねェし。どうやって呼ぶつもりなんだろォな?」
幸先が危ぶまれる中で、強風か吹くと。まるでラジオのノイズのような音だと思った。そういや、ラジオ放送でクトゥーは皆んなの背後とか言ってたよなァ。本当に後ろからこられたら、ビックリして切りかかってしまうかもしれねェわ。
反射的に攻撃しちまうと、いらねェ敵を作るかもしんねェし。獄界はマジで未知の場所なんだよなァ、立ち入り禁止になってた場所だし。でも見覚えがある妖がチラホラ見えてんだよなァ、つい数日前に地球で見た覚えがあるっつうかァ……。