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呪われ転生じゃ死にきれない  作者: 鳴神 春
38/46

33話 元に戻れない!

1


ルミナに勧められた服の会計を済ませて、店を出る。

やっぱりスカートは落ち着かないが、背に腹はかえられないのでこのまま行くことにした。


「とりあえず昨日行った森に行けばいいんだよな?」


振り返ってアリスに尋ねる。


「ええ、そのはずよ。というより、その格好で男の喋り方は違和感しかないわね……」


アリスは地図を広げて言った。


「だよね、悠くんその服似合いすぎだよー」


ルミナが笑いながら言う。


「あ、あんま見んなよ。は、恥ずかしいだろ……」


たしかに自分でも、鏡を見て似合ってると思ったけども。

そう言うとあいつらを喜ばせてしまうから、あえて言わないけど。

アリスが地図から目線を外して俺を見る。


「ほんと、びっくりするほど似合ってるわねー。いっそ女の子のままでもいいんじゃない?」


「いい訳あるか!」


俺の声が森に響き渡った。

すると東の方から地響きが聞こえた。


「!、近いぞ」


茂みをかき分け、地響きのした方へ向かう。


「いた、あいつらだ!」


そこには昨日倒したスパイダーモンキーたちがたくさん。

そしてその中で一番異彩を放っていたのは。


「これもう猿の域超えてるだろ……」


それはもう巨大なゴリラだった。


「ちょっと、あんなの相手にするの?」


茂みの中でアリスが抗議した。


「あんなのと戦ったら一発で死んじゃうわよ!」


「でもアリスちゃん。ほら、あそこにあるきのみって……」


ルミナが指差す方向には、たしかにスパイダーモンキーたちが集めたきのみの中に、目当てのウヴァの実があった。


「たしかにそうだけど、何もあそこのやつを取らなくてもいいじゃない。別のやつを探しに行きましょう」


「でも貴重なやつなんだろ?だったら今取った方がいいだろ」


「でもどうやって取るのよ。何か考えでもあるの?」


「大丈夫、一応策はある」


2


俺は茂みを使って回り込み、猿たちの裏へ着いた。

今俺の姿は周りからは見えていない。

というのも、ルミナの魔法で俺の姿を光の屈折を利用して、見えなくなっているだけなのだ。

今回は倒すのが目的じゃないし、きのみだけ取れれば十分だ。

そろそろと近づき、あと5メートルまで来た。


「もう少し……」


あと3メートル。


「あと……ちょっと……」


1メートル。


そしてようやく。


「よし、取れた!」


「悠くん危ない!!」


ルミナに呼ばれて振り向くと、スパイダーモンキーたちが飛びかかってきた。

どうやらバレてしまったらしい。


「くっ、ルミナ頼む!」


俺は何とか隙をつき、ルミナに向かってきのみを投げた。

ルミナは危なっかしげにきのみをキャッチした。


「えっ⁉︎渡されても……」


するとスパイダーモンキーたちは、ルミナに向かって移動し始めた。


「き、来たっ!アリスちゃんお願い!」


今度はアリスにきのみが。


「ちょっと、私に回さないでよ!」


当然のごとくスパイダーモンキーたちもアリスの方へ。


「イリカ、お願い!」


そしてきのみはイリカの方に。


「ん、おにい、いくよ」


「おう、どんと来い!」


俺はイリカからのパスを取るために構えた。


「ん」


だがイリカから放たれたパスは、俺の想像を超える速さだった。


「ふぐっ!!」


結果顔面キャッチになってしまった。


「わっ!悠くんしっかりして!」


「まあ結果的にきのみは食べたんだし、帰りましょ」


「ん、かえろ」


みんなが口々に言う中、俺は意識を失った。


3


「そりゃ!」


「ぐはっ!死ぬ!!」


アリスのチョップで目がさめる。

だんだん起こし方、雑になってきたなぁ。


「あれ、いつの間に家に帰ってきたんだ?」


周りを見渡すと俺は自分の部屋のベッドに寝ていた。


「ああ、悠斗が気を失った後テレポーテーションしたの。最近覚えたのよ」


「そりゃ便利なこった」


俺はまだ女子の姿だったが、あの時確実にきのみを食べたし、まあ明日になれば治るだろう。

これで女子の身体ともおさらばだ。


「女の子の格好が名残惜しいんじゃない?」


アリスが心を読んだかのように聞いてきた。


「バカ言え。もうこりごりだよ……」


するとルミナとイリカが扉を開けて部屋に入ってきた。


「おまたせ、ご飯だよ!」


「ん、おにい、おきたの」


イリカが寄ってきて、布団にダイブした。


「ん、これとも、さよなら」


「胸を見て言うな。てか、重いんですけど……」


胸をぷよぷよ触るイリカに言うと、横にいたアリスの目がギラッと光る。


「あら悠斗、ケンカ売ってんのかしら?」


「違う、イリカの方だ。勘違いすんな」


「ふん、イリカはともかく、何で悠斗まで胸があるのよ。私だってもっと大人になれば……」


どうやらアリスは、そこにコンプレックスがあるらしい。

怖いからいじるのはやめておこう。


「さ、さあ、せっかくのご飯だ、みんなで食べよう」


何とか話をそらしてみんなでご飯を食べる方向に持っていく。


「うん、今日はきのみで作ったケーキだよ!」


ルミナが嬉しそうに言う。


「イリカちゃんも手伝ってくれたの」


「ん、きのみ、持ってきた」


イリカが寝っ転がりながら言った。


「へぇ、イリカが持ってきた……」


一瞬の静寂。

イリカを除いた俺たち3人の頭の中に「デジャビュ」という言葉が浮かんだ。


「ん、たべないの?」


「い、いや……あの……」


思わず口ごもってしまう。


「わ、私!今食欲ないから!」


アリスが真っ先に部屋を飛び出す。


「私も!えーと……キッチン!キッチンが気になるからっ!!」


ルミナもよくわからない言い訳をして出ていった。

残るは。


「はぁ、わかってたけどね……」

この後ケーキは悠斗が美味しくいただきました。

※ウヴァの実は入っていませんでした。

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