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呪われ転生じゃ死にきれない  作者: 鳴神 春
33/46

28話 掟破りは許さない!

1


「指輪がなくなってる!!」


突然現れた転生者、不知火純によって本来取れるはずのない指輪が取れてしまった。

不知火の手には、さっきまで俺がつけていた指輪があった。


「っ!お前、どうやってこれを!」


「俺が転生する時に、神とやらに特別な力をもらった。それがこの力だ」


指輪を眺めながら不知火は続ける。


「触れたものを自分の手元に引き寄せられる能力、らしい。ただし大きさに上限はあるがな。こいつなら十分だ」


だからあの時指輪に触ったのか。

でもあの指輪はルウがつけたやつだぞ。

神の物でも関係ないってのかよ。


「ははは、最悪だ…」


状況は一気に不利になった。

俺は自分がどんな魔法を使えるかわからないし、何より今斬られれば普通に死ぬ。

呪いで守られてない今、死と隣り合わせになってしまった。


「返しなさいっ!」


アリスが魔法を放つが、不知火はするすると魔法を避ける。


「くそ、ここでは邪魔が多いな……おい、沖谷悠斗!今日はこのくらいで勘弁してやる。指輪を返して欲しければ明日の正午、1人でここに来い!」


そう言って不知火は姿を消したのだった。


2


「ごめんなさい、見失ったわ」


追いかけて行ったアリスが帰ってきた。


「いや、しょうがないさ。一旦家に帰って態勢を立て直そう」


ギルドへの報告を終えて、俺たちは家に着いた。


「悪い、先に部屋で休むから」


3人にそう告げて自室を目指す。


(おい、ルウ。聞こえるか?)


心の中でルウに呼びかける。

が、誰も呼びかけに応じなかった。


「くそ、指輪がなきゃ会話も出来ねぇか」


どうにかしてルウと連絡を取らなければ。

ダメ元でベッドに横になり寝てみた。

するといつもの真っ暗な部屋に来ることができた。


「よし、何とか来れた!ルウ!」


呼びかけると目の前にルウが現れた。


「悠斗……」


「状況は、わかってるな?」


そう言って右手を見せる。

中指には指輪の痕さえ残っていなかった。


「もちろんだ、早く取り返そう」


まず、不知火の力の正体から突き止めなければ。


「それで、あの力は一体なんだ?」


「あれは彼が言う通り、僕とは違う神が転生する彼に与えた力だろうね。神の力でさえ御構い無しに奪うなんて、少しイラっとするけどね」


ルウの言葉に、所々怒りが滲み出ていた。


「お前が怒るなんて珍しいな」


「実際にあの力を見て、僕もこう見えて案外動揺していてね。まあ、彼をけしかけた奴は大体検討はついてるけど」


ルウは吐き捨てるように言った。


「さて、ここからが本題だけど」


そう言うと、ルウはみるみる大きくなっていき、来羽の姿で言った。


「僕もそっちの世界に行こうと思うんだ」


「……はあ⁉︎」


いきなりの大胆発言に、俺は大声を出してしまった。


「え?神様ってこっちの世界に来ていいの?」


「ほんとはあんまり良くないんだけど仕方ないじゃん。それに僕の目的は指輪を取り返すことと悠斗を死なせないことだから」


「まあ、それについては納得だけど……」


にしたって自由すぎる。

まあ神がいれば鬼に金棒、百人力だ。


「よし決まり!早速準備するから!」


そう言ってどこか嬉しそうな来羽は、ウキウキと準備をし出した。

こいつほんとは来たかったんだなぁ。


3


目を覚ますとそこはいつもどおりの俺の部屋だった。

そういやルウはどうやってこっちに来るんだろうか。

まさか前の俺と同じように野原にポツンと立ってたりして……。

だがそんな心配は不要だった。


「あ、悠斗おはよー」


「いやいるんかーい」


当然のように椅子に座り挨拶をするルウがそこにいた。

思わず慣れないツッコミをしてしまった。


「僕は神だよ?自分の降り立つ場所ぐらい決められるよ」


「そうかよ……」


そういう奴だったなこいつは。


「てかそれができるならなんで俺の時は野原だったんだよ?」


「いきなり街中に人が現れたらびっくりするでしょ?それにこの世界の感覚を掴んでほしかったし」


そう言われるとぐうの音も出ない。

何とも言えない気持ちになっていると、部屋の扉がノックされる。


「悠斗起きてる?そろそろご飯よ」


「やば、アリスだ!お前どうすんだよ」


「あー……大丈夫。何とかなるから」


ルウは少し考えた後に根拠のないことを言い出した。


「悠斗?聞こえてる?」


返事のない俺に、アリスが再び声をかける。


「聞こえてるよ、今行くから」


ベッドから起き上がり、扉に向かって歩いていく。

するとルウが思いついたように話し出した。


「そうだ!君以外には見えなくなればいいんだ」


「はあ?お前そんなことまでできんのかよ」


「あたりまえだよ。僕は神様なんだから」


「それ、もはや神の域超えてね?」


そんなこんなで俺はアリスたちと普通に接していたが、どうやら俺以外にルウの姿は見えていないようで、何事もなく次の日を迎えるのだった。

いいのだろうか、これで。

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