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呪われ転生じゃ死にきれない  作者: 鳴神 春
30/46

25話 心配はかけない!

1


呪い解除目前で突然平和ボケしてしまった俺を矯正すべく、ルミナたちが立ち上がった。

っていうか、なんで自分で「平和ボケしてしまった俺」って言わなきゃなんないんだ。

なんか嫌だわ。


「んで……どうしてここなんだ?」


ルミナたちに連れてこられたのは、前に来た国営ギルドの修練場。

目の前には剣を構えたカスミが。


「あんたがだらしなくなってるって聞いて根性叩きなおしにきたのよ!」


どこか嬉しそうなカスミ。


「久々に出てきたと思ったら、また物騒なこと言ってんなお前」


「久々とか言うな!あんたが来ないからでしょ!」


カスミが大声で叫ぶ。


「まあ最近出番なかったし、みんな忘れかけてたからねぇ」


「シズクも黙ってなさい!てかあんた、そんな事言う子じゃなかったでしょ⁉︎」


脇で見てるシズクにもカスミのツッコミがとぶ。


「ああもう!いいからやるわよ!」


そう言ってカスミが剣を構え突進してきた。


「とりゃぁ!」


カスミの剣が俺の髪をかすめる。

木刀なので当たれば死なないにしてもめっちゃ痛い。


「はぁ、やっぱやらなきゃダメか…」


俺は仕方なく木刀を構える。

今度は俺から行くとしよう。


「はあっ!」


「甘いわよユウト!」


俺の剣をカスミが受け止めて、剣同士がぶつかり合う。


「ふふん、剣のぶつけ合いであたしに勝てると思わないことね!」


カスミがじりじりと間合いを詰めてくる。

ここは切り返して……。


「あ」


おかしな体制で切り返したので、俺は盛大にずっこけた。


「隙ありっ!」


それを逃すまいとカスミの木刀が背中にジャストミートした。


「ぐぅっ……」


俺は無様な声をあげ、気を失ってしまった。


2


「あ、気がついた」


意識がもうろうとする中うっすら目を開けると、アリスが気がついて言った。


「あー……確かカスミと模擬戦やって負けたんだっけ……」


「そうよ。それで倒れた悠斗を私たちが家まで連れてきたわけ」


「そっか……悪いな」


自分の不甲斐なさで、申し訳ない気持ちでいっぱいだ。

素直に頭を下げる。

するとアリスは首を横に振る。


「ううん、悪いのは私。無理やり連れて行って悠斗に怪我させて、死なないからって無茶させすぎたわね……反省してるわ」


アリスがぺこりと頭を下げた。

そもそもこうなったのは俺のせいなのに……


「いや、謝らないでくれ。みんなには迷惑かけた。これからはしっかりするよ」


暗い顔をするアリスに、俺は努めて笑顔で言った。


「……ええ」


俺の言葉を聞いたアリスの表情は、少しだが明るくなった気がした。


「そういやルミナたちは?」


「あの子たちならキッチンよ。あなたのためにご飯を作るって張り切ってたわ」


「そ、そうか……」


なんだか無性に恥ずかしかった。

それはアリスも察したようだ。


「よかったわね、モテモテで」


「やめろよ、そんなんじゃねぇって」


早速冷やかすアリス。

俺は今までの空気を払うようにベッドから降り、扉に向かって歩いた。


「……戻るか」


3


その夜。


「見てたよ悠斗ー。お疲れさま〜」


当たり前のように夢の中にルウが登場した。


「だめだよ悠斗。サボってるから体が訛るんだぞ〜」


「うっせー、今は正論なんて聞きたくねぇよ」


ほんと耳が痛くなる。


「そういやあの後どうなった?」


「悠斗が倒れた後?仲間の3人は悠斗を家まで連れて帰ったし、あのカスミとか言う女の子は悠斗をぶっ叩いた後、悠斗が気絶しちゃったから半泣きになってたよ」


「うわ、悪いことしたな」


あとでカスミにも誤りに行こう。


「まあ君のやる気がまた戻ってよかったよ。もしあのままだったら、僕が直接正義の鉄拳を食らわすとこだったよ」


「怖いこと言うなよ」


神の鉄拳なんて食らったら、いくら俺でも死ぬと思う。


「そうならないようにしてよ」


ルウは笑いながら答えた。

笑い事ではない。


「そういえば悠斗」


ルウが落ち着いた口調で、俺の夢を締めくくった。


「もう朝だ」


目を開けるといつもの見慣れた天井。

寝てる間にずれたであろう布団。

全てがいつもどおりだ。

あくびを噛み殺し、布団から出る。

俺の冒険者としての朝が再スタートした。


「散歩行くか……」

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