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呪われ転生じゃ死にきれない  作者: 鳴神 春
28/46

23話 平穏無事に終われない!

1


「あのおばか!あとで説教だ!」


ゾンビ達と戦いながら俺は、イリカへの説教を考えていた。

俺をかばってやられたルミナが可哀想でならない。


「よそ見しないで……ほら!」


襲いかかってきたゾンビを、アリスと2人で跳ね返す。

跳ね返されたゾンビは、どんがらがっしゃんと音を立てて飛んでいった。

こんな調子で階段を駆け上がること数分。


「ここが最後の階ね……」


最上階の大広間には首謀者らしき男がいた。

男は俺たちに気づくとこちらを振り返り拍手をした。


「素晴らしい。まさかここまで来る者がいるとは」


「早くパークを元に戻しなさい!」


アリスが男に叫ぶ。

だが男は余裕の表情をしていた。


「そんなに焦らないことだよお嬢さん。パーティーを終わらせるのはまだ早い」


男がぱちんと指を鳴らすと、男の周りに大量のゾンビが出てきた。


「さあ行けゾンビ達よ!奴らをゾンビにしてやるのだ!」


出てきたゾンビは真っ先に俺に向かってきた。


「悠斗!」


アリスが加勢しようとするが俺を囲んだゾンビに阻まれた。


「くそ、放せ!ぐぁ!」


俺の抵抗虚しくゾンビに腕を噛まれてしまった。

これで俺もゾンビになってしまう。

取り残されたアリス1人で戦うなんてとても無理だ。

このまま奴の軍門に下ってしまうのか。

だめだ、何かいい解決方法があるはずだ。

きっと何か………。


「ん?」


というか俺、全然意識あるな。

ゾンビになる気配すらない。

体もピンピンしてるし。

なんでだろ。

まあ平気ならなんでもいい。

俺はゾンビ男に反撃することにした。


2


「どーん!!」


炎でゾンビをはねのける。


「悠斗⁉︎」


「なぜだ!なぜお前はゾンビにならん!」


えーっとねぇ…。

それは俺にもわからないんだが……。


「悪いな。俺にその攻撃は通用しない」


まあカッコつけてこう言ってれば、大体相手は納得する。

横で仲間がジトッとした目を向けている気がするが、今それを気にしたら負けなのだ。


「くそ、こうなれば私が直々にゾンビに変えてやろう!」


そう言って俺に噛み付こうとする男。


「気持ち悪いわ!」


その男の顔面に回し蹴りを食らわせる俺。

背中を思い切り打ちつけた男は、そのまま動かなかった。


「悠斗、あなた…」


「なんだアリス、早く帰るぞ」


あっけにとられているアリスに俺は声をかける。

だがアリスはあっけにとられてる訳ではないようで。


「いや、あなたさっき完全にゾンビになる覚悟してたわよね」


しっかり俺の行動について指摘した。


「それを言うなよ……」


やっぱりバレていたか。


3


男を倒した後ゾンビ達は消え、パークは元に戻った。

当然ゾンビに噛まれた人達も正気を取り戻した。


「しかし散々だったな…」


俺は1人呟いた。


「やっぱ俺って不運だよなぁ」


ベンチに座って空を見上げた。


「そんなことないんじゃない?」


「うおっ、びっくりした」


目の前に突然ルミナの顔が現れ、つい驚きの声が出てしまう。


「たしかにトラブルに巻き込まれたけど、みんな無事だったんだから、まあ一件落着じゃない?」


ルミナがそう言って隣に座り、買ってきたソフトクリームを食べる。


「うーん…納得していい、のか?」


いまいち素直に頷けない。

しっかりトラブルに巻き込まれてる時点で不運じゃないだろうか。


「それにきっと、後でいいことあるかもよ」


ルミナはにこにこしながら言った。


俺を励まそうとしてるのかはわからないが、そう言われては仕方ない。


「後でっていつだよ」


そう笑いながら答えた。

その時。


「あ、お客様」


俺たちは突然男性スタッフに呼び止められた。


「当パークの支配人から、今回の件を解決していただいたお礼としてこちらを用意しております。お受け取り下さい」


そう言ってスタッフは3つの袋を渡してきた。


「ああ、そりゃどうも……って重っ!!」


軽い気持ちで受け取るとずっしりとした重みがあった。


「あの、何が入ってんですか?」


「ベルメルク純金貨合計300枚です」


「300枚……」


言われてもピンと来ないので頭の中で計算してみる。

たしかベルメルク銅貨10枚で銀貨1枚。

銀貨10枚で金貨1枚。

金貨10枚で純金貸1枚。

銅貨1枚で日本円にして100円くらいだから合計して………。


「3000万円!?」


思わず驚きの声が出てしまった。


「こ、こんなにもらえませんよ!」


「何をおっしゃいます。皆さんはパークの危機を救ってくださったのです。これでは足りないくらいです。では」


男性スタッフはぺこりと頭を下げて、どこかへ行ってしまった。

ルミナがまたにこにこしながら話しかけてきた。


「ね?いいことあったでしょ?」


いくらなんでも早すぎる。

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