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呪われ転生じゃ死にきれない  作者: 鳴神 春
27/46

22話 ゾンビが止まらない!

1


男からのデスゲーム宣言はパークにいるお客をざわつかせた。


「何?なんかのイベント?」


「そんなの聞いてないぞ……」


「ママ……怖いよ………」


怖がる者、イラつきを見せる者、相手にしない者が様々いる中、男はなおも続ける。


「ああ、まだ肝心なルール説明をしてなかったね…。ルールは簡単。パーク内にいるゾンビ兵達から逃げ切ればいいだけ……」


するとどこからともなくゾンビ達が現れる。

気づくと空も薄暗くなっている。


「おい、やめろ!離せよ!」


近くでエルフの青年がゾンビ達に囲まれていた。

そしてゾンビ達が腕に噛み付いた瞬間、エルフは動かなくなり、起き上がったと思ったら彼はもうゾンビとなっていた。


「このように、ゾンビに噛まれたものは同じくゾンビの仲間となる……せいぜい気をつけてくれよ……」


ブツリと音を立てアナウンスは終わり、同時にパークのお客達は騒ぎ始めた。


「おいふざけんな!ここから出してくれ!」


「ゾンビなんて嫌ぁ!助けてぇ!」


楽しい遊園地が一気に死の戦場と化した。


「どうする、アリス!」


「決まってるでしょ!パークを取り戻すのよ!!」


アリスに即答された。

あー……なんか前にも似たような展開があったような………。

これがデジャヴか。


「とりあえず中央のお城に向かいましょう。あそこならなにかわかるかも!」


俺たちは人混みをかき分けお城に向かった。


2


「いい?噛まれないように気をつけるのよ!」


振り返りながら走るアリス。


「わかってる!ルミナ、強化魔法を!」


「うん、わかった!」


ルミナの魔法を受け、俺は道行くゾンビを薙ぎ払う。


「くらえ!」


右手をゾンビ達に向け、魔法を使おうとするが……。


「ちょっと!しぶきが冷たいんだけど!」


「くそっ!久々に使うとこれだ!」


勢いよく水が噴き出すのだった。

まあゾンビを怯ませるくらいなら使えるから、まだ大丈夫。

そんなこんなで城の前の広場まで到着した。


「さすがに城の前だと守りが固いな……」


広場はゾンビ達で埋め尽くされていた。

3人の魔法を持ってしても、ここを突破するのは難しそうだ。


「裏手に回りましょう。そこからでもお城に入れるわ」


アリスの機転の良さで、俺たちは広場を諦めて脇道に逸れた。

だがそちらもゾンビでいっぱいだった。

それを見て怯んだのがいけなかった。


「悠くん危ない!」


ルミナが俺をかばい、一体のゾンビに腕を噛まれてしまった。


「っ!ルミナ!!」


「大丈夫だから!早く行って!」


思わずルミナを助けようとするとアリスに止められた。


「早く…みんなを助けて……」


「くっ!ルミナ………」


「悠斗!早く行くわよ!ルミナの犠牲を無駄にしないで!」


ルミナがなんとか食い止めている間、なんとかゾンビの大群から脱出できたが、俺たちは1人目の仲間を失った。


3


「ん、ここ、どこ?」


「起きるの遅っ!てかよく今まで寝られたな!」


俺の背中でイリカがやっと起きた。


「お前が寝てる間に凄いことになってんの!ルミナもやられたんだよ!」


「ん、ルミナ、が?」


「ああ…けどそれについては説明する暇はなさそうだ」


城の後ろから中に入ったのだが、さすがに敵のいるところだけあってゾンビが多い。

俺の魔法が炎に変わったおかげでゾンビ達は逃げていくが、それでもまだ多い。


「ん、おにい、先、行って」


イリカが剣を構えて言った。

こういう時にイリカは役に立つ。

遅いゾンビ達にイリカがさすがに負けるはずないだろう。


「…悪い。絶対噛まれんなよ!」


階段を駆け上がりながらイリカに忠告した。


「ん、なんくるないさ〜」


手を振りながら沖縄弁を話すイリカに違和感を覚えながら、俺たちは階段を上っていった。

イリカは素早いし、間違ってもゾンビに捕まることはない。


そう思っていた。

だが……。


かぷり。


「ん、噛まれちゃった」


「こんのあほぉぉぉ!!!!」


俺の叫びが城に響き渡った。

これで2人目……。

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