17話 仲間の呪いが解けない!
1
悠くんの呪いを解くための会議のあと、私はお風呂に入っていた。
「前から悠くんの呪いは知ってはいたけど、結構深刻な呪いなのかなぁ」
たしか、後悔をなくせばいいんだよね?
でも悠くんの後悔って、なんだろう?
「うーーん…」
湯船に浸かって数十分考えたけど、一向に答えが出てこない。
「ちょっと、何うんうん唸ってるのよ……ってルミナ、あなたどんな体制でお風呂入ってるのよ」
唸り声が気になったのか、アリスちゃんが顔だけ出してうつ伏せで湯船に浸かる私に声をかけてきた。
「あ、アリスちゃんごめんなさい」
「いいわよ、私も入っていいかしら?」
「うん、どうぞ~」
アリスちゃんが体を洗い、私はまだ湯船に浸かって変わらず悠くんの呪いについて考えていた。
後悔かぁ........。
私だったらなんだろう........。
お腹いっぱいになるまで食べ物を食べたりとか?
あとは、悠くんと........ 。
ってなんでここで悠くんが出てくるの!
「ちょっとルミナ!どうしたの⁉︎」
私は恥ずかしさのあまり、勢いよく湯船に潜った。
アリスちゃんが驚いてるけど、今はそれどころじゃない。
「も、もう出るね」
私は顔を真っ赤にしながら、湯船から出る。
「え?でも体は洗った?」
「最初に洗った!」
私は逃げるようにお風呂場を飛び出した。
2
部屋に戻ってからも、私の悩みは解決しなかった。
さっきも思ったけど別に害がある訳じゃないし、解かなくてもいいんじゃないかなぁ ......。
部屋でベッドに突っ伏しながら考えを巡らせる。
でもやっぱり悠くんは大事なパーティ仲間だし、悠くん自身が呪いを解きたいならそれに協力してあげるべきだよね。
それに........、前に悠くんには助けてもらったし、今度は私が助ける番だよね!
何度考えても、私はその結論に至った。
やっぱり優先すべきは、悠くんの目標の手助けをすること。
それだけは変わらない。
でも結局何すればいいんだろ?
全然わかんないや。
また振り出しに戻ってきてしまった。
目標だけはっきりしたものの、方法が見つからない。
「そうだ!直接悠くんに聞いてみるのはどうかな?それならその後悔に私協力できるかも!」
がばっと起き上がり、悠くんの部屋に行こうと扉の前まで行ったところで、ふと気付く。
(そ、そういえば私、悠くんの部屋に行くの初めてだ……)
宿の部屋は最初に行ったけど、あれはあくまで宿の一室って感じだし、ちゃんとした悠くんの部屋って考えると、急に意識してしまう。
「どうしよ!変じゃないかな⁉︎服とか、髪とか、あとそれから……」
1人で鏡の前で格闘すること数十分。
準備を整えて悠くんの部屋へ向かった。
躊躇いつつも、勇気を振り絞り扉をノックする。
「ゆ、悠くん。私だけど入っていい?」
若干声がうわずった感じになってしまう.....。
緊張するなぁ........。
けど部屋からは悠くんの声は聞こえなかった。
「えっと、入っていいかな?入るよ?」
そう言ってドアノブに手をつけようとしたその時。
「もうやめて!大丈夫だから!」
と悠くんのどこか悲しげな叫び声が聞こえた。
「え⁉︎ちょっと、どういうこと悠くん?大丈夫って何が?」
一体何が起こっているのだろう。
そして私は嫌なことを考えてしまう。
「もしかして、呪いが解けなくて自暴自棄になってたり……」
ありえる話かもしれない........。
呪いが解けなくて一番辛いのは、悠くん自身なのだから。
私は、すぅっと息を吸い込む。
「ごめんね、いきなり部屋まで押しかけて。でも私、悠くんの力になりたいの」
扉に向かって訴えかける。
中から声は聞こえない。
少し落ち着いてくれたのだろうか........
「私、もっともっと悠くんたちと冒険したい。色んなところ行って色んなもの食べたい。だから、悠くんが悩んでるなら、私が力になるから」
そう言って扉を開けようとした刹那。
「はいストーーーーップ!もう無理お腹いっぱい!これ以上はいけません!」
「悠くん何食べてるの!」
部屋から聞こえてきた悠くんの声に、私は思わず扉を勢いよく開けてしまい扉を壊してしまった。
「……あの、ごめんなさい」
振り返りながら謝ると悠くんはベッドに寝ていた。
「な、なーんだ、ただの寝言かぁ……」
安心したような、残念だったような。
気持ちを落ち着かせ、悠くんの顔を覗き込む。
すると悠くんはゆっくり目を開ける。
わたしの鼓動が周囲に聞こえるほど、高鳴った気がした。
「ど、どうしてルミナがここに?」
3
「……って訳で、来ちゃった」
ルミナが大体の経緯を話し終えた。
なるほどな、大体理解できた。
なんで扉が壊れているのか疑問だったが、これで繋がった。
「要は俺の呪いを解くために俺の部屋を訪ねた。これでいいんだな?」
「うん。でも悠くん何の夢見てたの?なんか叫んでたけど」
ルミナは心配そうな表情で俺に視線を向ける。
「あ、いや、大した夢じゃないんだ。あはは」
俺は笑ってごまかす。
あれが夢ならばどれほどよかったでしょう。
レモンも思わず逃げ出すだろう。
そうかー、声出ちゃってたかー。
いやぁ、お恥ずかしい........。
「って言ってもなぁ、やっぱり死ぬ間際のことはあんまり覚えてなくて……」
残る後悔はあと6つ。
一体なんだ?
「じゃあ悠くんの話聞かせてよ」
ルミナが唐突にそう言った。
「え?俺の話?」
「うん、昔の話とかしたら何か後悔したことがわかるかも」
ルミナにそう言われ、子供の頃を記憶を引っ張り出してみる。
数秒固まったあと、ふと思い出した。
「あ、そういえば」
「何?何か思い出した?」
ルミナが期待の眼差しを向ける。
「ああ。多分だけど呪いと関係あるかもしれない」
「聞いてもいい?」
「ああ、俺こそ聞いてもらってもいいか?」
ルミナが頷き、俺は久しぶりに昔のことを思い出し、話し始める。




