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邪眼物語  作者: 幸明
3/9

第二話 ルーフィとの出会い

「おーーーい!」


こちらの呼び声が聞こえたのか、こちらを振り返る二人。

足早に近づくと、違和感があるのに気付いた。

二人の影はどうやら子供らしい。近づくにつれ、輪郭がはっきりしてくる。

だが、違和感の正体はそれではない。来ている服装と髪にあった。

大きい方の少年らしき子供は見た目白髪にみえたが、よく見ると銀色に近い白だった。

見た感じ美奈より上の12歳くらいか?小学校の高学年といった感じだ。

小さい方は女の子で少年とは違ってピンク色の髪の毛だった。見た感じは美奈と同じかもっと小さい感じで小学校の低学年だろう。

美奈自体が10歳にしては体が小さいことを気にしているので、あまり基準にはならないが・・・。

それよりも、もっと異質なのは服だ。まるでマンガやゲームの中世ヨーロッパ風の服を着ている。木靴に腰縄・ぶら下げているのはナイフか?二人とも籠を背負っている。


「お前は何だ?」


こちらを見た兄の方が、明らかな警戒感を示しつつ妹を背後に隠す。

そして持っていたナイフよりやや大きめの刃物をこちらに向けて構える。


”刃物を持ってるなんて物騒だな。”


見た当初はコスプレか何かかと思っていたが、ナイフの煌きは明らかな刃物のそれであった。


「いや、怪しいものじゃないんだ。ここがどこか聞きたいだけなんだ。」


こちらも美奈を背負っている以上、うかつに近づくわけにはいかない。お互い警戒したまま一定の距離を保つ。


「なんか、変な服きてるな。どっからきた?」


兄が警戒しつつ質問してくる。


「いや、学校帰りなんだが、土手の下の穴に落ちてしまってね。穴から出たらなんか変な場所に出たんだ。ここがどこだかわかるか?」

「学校?なんだ?」

「しらないのか?みんなで勉強するとこだよ。お前も小学生か中学生だろ?」

「小学生?よくわからんが、みんな集まって勉強するというと街の修業場のことか?街にはそんな感じの訓練所があると聞いたことがあるが・・・。」

「訓練所?変な言い方だがまあそんな感じだ。今は家に帰る途中なんだが・・・。」

「後ろにいるのは?」

「ああ、こいつは美奈で俺の妹だ。おれは小西浩二。」


お互い警戒しながらにらみ合うこと数分。途端に相手の警戒感が薄れたのがわかる。

兄の方はナイフをしまい、俺に近づいてくる。


「そうか、俺はルーフィ。この先の村に住んでいる。後ろのはアーヴィ。妹だ。二人でクルトの実を取りにいってたんだ。」

「そうか、よくわからんが家に帰りたいので、藤木の町の方を教えてくれると助かるんだが・・・。」

「藤木?知らないな。とりあえず村の方に行けば誰か知ってる人がいるかもしれん。」

「案内してくれるか?」

「ああ、お安い御用だ。」


こちらに近づいてくるルーフィが不意に道のくぼみに足を取られる。

俺は美奈を背負っているため飛び込んでくるルーフィを体全体で受け止める。


「大丈夫か?」

「ああ、すまない。」


至近距離で見つめあってると、不意に美奈が叫ぶ!


「ショタ男子とDK(男子高校生)の定番シチュきましたーーーーー!」


絶叫とともに鼻血を飛び散らせながら後ろに仰け反る美奈。


”やばい!いつもの病気か!?”


鼻血が宙を舞い俺とルーフィにかかる。


「なんだ!?」


びっくりした感じの声を上げ、我に返った感じでルーフィが後ろに飛び退く。

美奈がそのまま後ろに倒れていき、足を俺につかまれていたため逆さまに宙づりになった。


「すまない。びっくりさせて。こいつの病気だから気にしないでくれ・・・。」


美奈を宙づりにしたままルーフィに謝る。


「病気か?これは大変だ!急いで村に行こう!村に薬師がいる!」


ルーフィが慌てて寄ってきて、美奈の上半身を持ち上げる。


「アーヴィ!先に村に帰ってトーラスに知らせろ!病人がいると!」


突然の光景に固まっていたアーヴィが慌てて村の方に駈け出した。


「いや、そこまで大変な病気ではないんだが・・・。ある意味手遅れのような気もするし・・・。」


いつものことなので、ため息しか出ないのだが、知らない人が見ると異常な光景なのは間違いがない。

ルーフィに美奈を押し上げてもらい、美奈を背負い直すとルーフィの案内で村へと向かった。





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