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異世界で無人島ってひどくない?  作者: IRUCA
1章.無人島
3/5

2.水と食料

こんにちはIRUCAです!

2話目ついに主人公が生き物と巡り合う!?

すこし長いですが、よろしくお願いします(>_<)

水を探すとはいったものの、実際に何か案があるわけではない。

案と言えば、歩き回るくらいだ。

しかたないので今はこの案を採用するしかなさそうだ。

歩いている間あまりにも暇なので、今回のことについてよく考えてみる。

本当は森の中でこんな気を緩めてはいけないのだが、本当に何もないのであまりに気にしない。


まず今までの人生に何かおかしなことはあったか?

普通に学校に通い、普通に会社に入った。何もおかしくないし、特別でもない。

両親だって至って普通だ。

うん、今までの人生は関係なさそうだ。あまり細かいことは覚えていないのだけど…。

今日はどうだろう。今日はいつもより1時間ほど早く起きてしまったのでいつもは聞かないがラジオを聴こうとしたな。そうしたら、よくわからない日本語がひたすら流れる番組を見つけたような気がする。意識が朦朧としてたから気のせいかもしれないけど…。

けどラジオを聞いたからといってこんなところに来るのも意味がわからない。まあ、ラジオは関係ないだろう。あとは…特にないか。


しいていえば今日は珍しく電車で座れたことだな。普段なら満員だから、座れることはないんだけど、目の前の老人が譲ってくれたんだよな。

なんか老人がやけに座るように言ってきた気がする。

んでもって、そこからが思い出せない。多分寝たんだろうけど、なんでいきなりここなんだ?やっぱラジオなのか?


そんなことを考えているとついに見つけた。

鬱蒼とした森の中、一部だけ木がなくなって、開けている。その中心に、木漏れ日によって、照らされたきれいな水面が見える。そう、それは小さな泉であった。

本当はこの距離では正確には泉か水たまりかはわからないのだが、水の存在は俺にとってはとても重要なことであった。


俺は少し警戒心を取り戻して、ゆっくりと泉に近づく。

ここで、急に獣が出てきたり、俺をここに運んだ奴らが罠を仕掛けていたり、待ち伏せしているかもしれない。貴重な水を前にして一切の油断はできないだろう。


(まじか…。)

想像はしていたが、やはり何事もなく泉に近づけた。

本当に何もなさ過ぎて俺はどんどん不安になる。

泉は大体直径1mくらいの円形であった。あまりにも小さいが貴重な水であることには変わりはない。

泉の周りに足跡や草が倒された跡がないから、この島には本当に動物がいないか、以外と水源がいくつかあるかのどちらかだろう。動物いなかったら、食糧はどうしようか…。


いや今はそれどころではない。この泉のほうが重要だ。

この泉に求める大切なことは2つ。

1つは、飲めることだ。

海水だったり、とんでもなく汚い水だったら目も当てられない。もっとも、動物の痕跡がないのはうなずけるのだが…。

そしてもう1つは深さだ。

深さが3cmくらいしかなくて、いざ飲み始めたら、すぐなくなってしまっても生きていけない。

俺はドキドキしながら泉を覗き込む。

そこには深淵があった。

いきなりなにを言っているのかと思うだろう。

だがこれを深淵と言わずになんと呼べばいいのだろうか。


黒。覗き込んだ泉の中心は本当に漆黒とも呼べる黒であった。その黒の周りにうっすらと見える青色。

おそらく数十メートル、もしかしたそれ以上はあるかもしれない。

3cmとか思っていた俺が馬鹿みたいだ。

一体なぜこの泉はこんなに深いのか…。また俺の周りに深く考えてはいけない悩みが増えた気がした。だが、それと同時にある不安が頭をよぎる。


(待てよ、これって下は海なんじゃないじゃないか?)


泉にしては深すぎる。そして円形がきれいすぎる。まるで海に浮かぶ島をくりぬいたようだ。もしこの島が海にうかんでいて、誰かがこの穴をあけたとしたら、この形も、異常な深さも説明ができるのではないか。考えるは考えるほど不安になる。だがもうほかに水辺を探す力はない。しかも、ほかにある保証もない。この島に動物がいない時点でこの島に利用できる水が存在しない可能性が高いからだ。


試しに俺は近くの草を一本取り、泉の水につける。もし水の色が変だったり、毒だったら大変なので確認するためだ。

草にはなにも起きなかった。海水なら何も起きなくて当然だし、とにかくやばい水ではなさそうだ。

水の匂いを嗅ぐ。何も感じない。

本当はなにかいい水の見極め方を知って入ればそれを試すのだが、今の俺にはそれは思いつかなかった。

だから恐る恐る片手を入れてみた。

とても冷たかった。でも特に肌を刺激するようなものは感じられない。

水から手を出して数分待ってみたが何も起きなかったので、今度は水をすくってみる。

そしてそのまま、水をなめてみた。


「きたぁ!!」


また叫んでしまった。

でも歓喜するのも無理はないだろう。ないよね?

だって真水だったんだから、しかもそこらへんの3700mくらいの山の天然水よりおいしかったんだから。

こうして、俺はこの島についてから6時間後、やっと水を手に入れたのである。

それと同時に泉の謎が深まったことは気にしないようにしようと思う。


俺は辺りを見渡す。

てっきり森のど真ん中だと思っていたが、どうやら見える範囲に、浜辺があるくらいまで歩いていたらしい。そう考えると、この島は岸から岸まで大体4時間ということか。浜辺より歩きずらいことを考えると直径6㎞以上はありそうだ。

とりあえず一番近い浜辺に出てみる。相変わらず、ただ広い海が広がるだけだ。

さて、水はどうにかなったし、次の問題は食糧か。

森には何もいないし、やっぱり海しかないかな。

海を見つめながら、俺はまたものすごく不安になった。


(……魚いるといいんだけど…。)


魚を取る方法を考えようかと思ったが、ひとまず魚を見つけないことにはどうしようもないだろう。まずは海に繰り出すことにする。


服は1着しかないので、長ズボンはぬいで、パンツ1丁になる。足を怪我したら今後活動に問題がありそうなので、靴だけは海水の犠牲にすることにした。


海水はやはり暖かかった。これなら海水浴をしたら気持ちがよさそうだ。

むろんそんな余裕はない。


20mくらい進むと水深は70㎝くらいの深さになった。これ以上進むと濡れてしまうのでとりあえずここで、魚を探してみる。


10分探しては、場所を変え10分。これを4.5回繰り返したが、全く魚の姿は見えない。最初は水面が揺らいでいるせいで探しにくいのだと考えたが、どうやらそうではなさそうだ。

信じたくはないが、どうやらこの島の周辺には魚も生息していないらしい。

一旦浜辺に戻り、なにか良い案はないか考える。


(最悪、木を食べるしかないのか?…あと探していない場所は…。)


あった。

目に見えない場所だ。木の中、土の中、砂の中。

成虫がいない時点で木の中に虫がいるというのは考えにくいだろう。

あとは、土の中にいるミミズ、砂の中の貝とかゴカイ。


(ミミズはできたら食べたくないし、とりあえず砂の中を探してみるか。)


そして俺は、砂の中の生き物を探しに再び海に向った。

砂の中に30cmくらいの深さまで手を入れては掘り返す作業をひたすら続ける。

砂の中には食糧があるという一縷の望みにかけて必死にほし返す。


(ん?んん??)


30分くらい続けたところで、何かが当たった。

その何かが動いて離れようとしたので、急いでつかむ。

気持ち悪い触感であったが、我慢しながらそれを恐る恐る持ち上げる。

それは長さ50㎝くらいで太さが腕くらいはありそうな巨大なワームのような生き物だった。


やっと生き物を見つけられたが、うれしいような、うれしくないような微妙な感覚である。

とりあえずこの生き物をもって浜辺に戻る。その間こいつはずっとうねうねしていたが、気にしない。


さて、こいつをどういただくか。

もう10時間くらいは食べていないし、日が落ちかけている。

辺りも真っ暗になりそうだし、せいぜい後活動できて1時間が限界だろう。

だから、美味しいとか、食べれるかは別としてできるだけ、早く食べたい。

水分というよりも肉質が多そうなところを見ると、火を通しても大丈夫そうだ。もちろん火を通さないという選択肢はない。

しかし、火をどう起こすかが問題だ。いまから、木を切って火をつけるのは無理だろう。

これは食べずに寝るしかないのだろうか…。


(ライターみたいに火を起こせる魔法でもあればいいのにな…。)


『《炎魔法:着火》を習得しました。』


「え?」

拝読感謝です!!

誤字脱字があったらすみませんm(__)m

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