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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

私が死のうとした事をあなたは知らない

作者: 白樺土竜

前作の裏話です。書いている途中に思いつきました。

 私は幼い頃からモテていた。だからと言って得したことなどは一度も無かった。

 毎日毎日男子にちょっかいをかけられたり特別扱いされるのは(嫌味に聞こえるかもしれないが)鬱陶しかった。だから私はいつも孤高を気取っていた。それがまずかったのか彼女達に目を付けられた。

 女子のいじめというのは男子が思っている以上に残酷だ。彼女達は私の味方である男子の目が行き届かない女子トイレで行為に及ぶ。

 ある時は服を脱がされ何発も殴られた。ある時は上から水をかけられた。そしてそれらの行為は、服の下だったり雨の日だったりしたので外部に露見することは無かった。

 誰も、誰も私の綺麗なところだけを見て助けてなどくれなかった。私の精神はもう、ズタボロだった。


 高校に入った頃だろうか。私は死のうと思った。しかしただ自殺するのも悔しかった。

 私はいつも私を視姦しているストーカーに自分を殺すようにお願いした。ストーカーは快く引き受けてくれた。自分の愛した者を自分の手で殺したいだなんて変な輩もいるものだ。

 そして決行日がやってきた。その日の8時20分ごろ、私は死ぬ……予定だった。彼さえ現れなければ。


 最初はストーカーが刺し違えたのかと思った。しかし考えていく内にある結論へと辿り着いた。

 ストーカーに刺された男子はどういうわけか私が殺されるのを知っていて、それを未然に防いだというものだ。

 暴論だということは分かっている。けれど私にはこの考えがしっくりきた。もしかしたら彼だけが私を唯一守ってくれたのだと、そう信じたかっただけなのかもしれない。

 だから私はもう死んでしまった彼に、勝手に恋をした。

 自分でも気が狂っているということは分かっている。死人に恋愛感情を抱くだなんて正気の沙汰ではない。けれど私の心はそこまで病んでいるのだ。


 私はこの後、一生彼氏も、もちろん夫も作らず生涯を終えた。周りはもったいないというけれど、私にとっては幸せだ。

 あぁ、○○君。あなたはなぜ私の事を助けてくれたのでしょう? その答えは……聞かない方が幸せかもしれませんね。

もしかしたら自分は交わらない恋愛というものが好きなのかもしれません。

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