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ダンジョン経営勉強中。  作者: イマノキ・スギロウ
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第004話「初めての侵入者?」

時間がかかったけどようやく続きができました。


「クリエイトや強力なモンスターは並みのモンスターよりも多くの魔力を有しています。なので、戦った後などは消費した自分の魔力の回復に弱いモンスターより時間がかかり、それによって強い空腹感に襲われるのです。ヘタすると見境なく周りの物食べちゃうくらいで、食べないでいると魔力の回復も遅いですから、連戦になれば魔力が枯渇して死んでしまう事もあるんですよ」


  それはそれでこわいな。DPケチってあたりのもの食われたら結局大損する場合もあるってことか。説明を聞く限り、強力な個体ほど、消費する魔力が多くて足りなくなると飢え死にと同じようなことになってしまうらしい。

 



「ところでPちゃん、聞きたい事があるんだけど、」


「はーい、なんですか?」


「この世界には俺みたいに送り込まれているダンジョンマスターっているのか?」


「はい、居ますよ」


「何人くらい?」


「この大陸で31人、この世界全体だと大地さんも入れて143人ですね」


「多いのか少ないのかわかんない数だな」


「この世界以外でも同時進行で複数の世界から魔力徴収を行ってますからね。各世界に均等に送り込んでいるのでそこまで一気に数を増やすこともできないんですよ。転生だけはそうほいほいやり直すってわけにはいきませんから」


「そういうもんなのか」


 

 自分のなかでひとまず納得してこの問題は後回しにする。


 ところで俺が今何をしているかと言うと、ダンジョンの構築も一段落したし、いよいよダンジョンの外を自分の目で確認してみようと思い、エステラとPちゃんを連れてダンジョンの入口に向かっていた。

 

 一応、Pちゃんのスキル【千里眼】でダンジョンのまわりに危険がないのは確認済みだ。

 

 そうして光が差し込んでくる入口をくぐり、久しぶりの陽の光を俺は全身で感じる。


「うわ、空気が澄んでてうまいな」


「本当ですね、ますたー」


「洞窟だとどうしても空気はこもりますからね」


 目の前に広がる景色を眺めながら俺とエステラとPちゃんの三人はしばらくゆっくりと日向ぼっこをしつつこれからの事を話しながら歩き始めた。


「ますたー、あっちのおおきい水たまり、行ってみましょう!」


「ありゃ湖っていうんだけどな」


「え、そうなんですか? ますたーは博識ですね」


 これくらい一般常識だけどな。とはいえエステラを召喚してから知っている事と知らない事が少しずつわかってきた。やっぱり外を見に行ったのは正解だったな。 


 年相応に自然の中で興味があるものに向かって片っぱしから駆けていくエステラを見守りながら、俺もこの世界の植物がどんなものなのかという興味が出てきて色々と観察して回る事にした。しばらく湖の周りや森林の木を観察していると、頭の上のPちゃんが妙な声を出した。

 

「あ、」


「どうしたPちゃん?」


「大地さん、こっちに接近する影が三つ、冒険者かもしれません」


「やっぱこの世界いるのか冒険者」


「えぇ、居ますよ」


 Pちゃんからの警告で俺はエステラに戻るよう声を出そうとして、いきなりなにかに抱えられるような形で高速移動が始まった。まわりの景色がどんどん流れていく、時速60キロくらいでてんじゃないか?


「な、なんだなんだ?」


「ますたー。怪しい気配が三つ確認できました。もしもの時の為、ダンジョンに戻ります」


 どうやらエステラが俺の事を抱えて走っているらしい。能力値にそれぞれ100ずつ振ってたけど、こんなに早く走れたのか。


 あっという間にダンジョン内に戻った俺たちは罠を起動させ、最奥の間でゴブリン達とともに侵入者が来た時のための備えを始めた。


「監視カメラみたいに入口とか通路の映像がほしいな」


「スキルの【千里眼】か、でなければそういう魔導具をDPを払って入手すれば

  できますよ」


「そうか、そういう道具もあるんだな」

 

  とりあえず、今はダンジョンのマッピング機能をコンソールから出しているが、これだと光点で敵か味方が何人ダンジョン内にいるかがわかるくらいだ。近いうちに映像を見れる方法を確立しとかないとな。詳しい状況を映像で見れるのならそっちの方が対処はしやすいだろうしな。


  で、やっぱり来ちゃったよ、侵入者。


  マッピングの画面には黄色の光点が一つ、あれ三つじゃなかったのか?

 ちなみに光点は青色=味方 黄色=警戒 赤=敵対 と三種類に分かれるのだとPちゃんが言っていた。


 まぁいいか、他の二つが別の所に行ったならそれはそれで後で考えよう。 洞窟内に入ってきた黄色の光点はゆっくりとダンジョンの奥に進んでいく。


 このままだと落とし穴に落ちるな、ちょうど良い、悪いが実験台になってもらおう。

 

 よし、そこだ。 いけ!


 落とし穴の上に光点が差し掛かるが、トラップは発動せず、そのまま光点は素通りしてしまった。


 なにぃ!? トラップが発動しない?


 なんでだ? またなにか俺設定ミスしたか?


「大地さん、落ち着いてください。ひとまずトラップの発動を手動に

  切り替えて試してみましょう」


 「わ、わかった」


  言われるままコンソールからトラップの発動方式をオートからマニュアルに

 切り替えて二つ目の落とし穴に対象が来るのを待つ。



  今度こそ…、


  光点が落とし穴の上に来た瞬間、俺はトラップの発動アイコンをタッチする。すると今度はきっちりと落とし穴が発動し、光点は落とし穴の中で動かなくなった。


「よし、確認に行くぞ」

 

「ちょっとグロそうですね」


「仕方ないよ。放置して匂ってきても困るし」


 

 そう言いながら俺たちは落とし穴に落ちた相手の確認に向かった。


 落とし穴の下は暗くて確認できないが、確か購入時の参照画像だと下に50センチくらいの石刺が敷き詰められてて、『確実にダメージを与えられます』なんてコメントが添えられてたな。


 とりあえずパタパタと飛べるPちゃんに確認しに行ってもらった。


「大地さーん、これグローい、」


「我慢してくれ、で、どうだ? 冒険者か?」


「いいえ、違います」


「じゃなんだ? 村人かなんか?」


「いいえ、というか人じゃなくてですね…、」


 人じゃない? 


「こんなのです」


 Pちゃんが昇ってくると自分の体長の数倍はある血まみれの塊を足で掴んだ状態で持ってきた。どうやって持ち上げてるんだろう?

 そんな感想を抱きながら、平和ボケした日本人特有の血に対しての忌避感を感じつつ我慢してPちゃんに問いかける。


「なにこれ?」

  

「ウサギです。ラビット」


「角あるけど?」


「ホーンラビットですね。しかも角が赤いからレッドホーンラビットです。結構高級食材なんですよ、これ」

 

「うまいのか?」


「ハチミツと香辛料で作ったタレに半日程漬けこんで、焼く前にハーブと塩コショウをよく揉みこんでからバターを引いたフライパンで焦がさないようにステーキにするのが私は好きですね」 



「無駄に長い上にどうでもいいわ」


「ひど!」


「で、なんでトラップがオートだと作動しなかったんだ?」


「あぁ、それは発動のための重量設定よりこのレッドホーンラビットが軽かったからですよ。重量設定をし直せば問題ありません」


 なるほど、軽すぎてセンサー? が感知できなかったってことか。


「しっかし初の侵入者がウサギとはなぁ、」


「良いじゃないですか、レッドホーンラビットステーキやりましょうよ」


「道具も調味料もないから無理」


「じゃ、DPで買いましょう!」


「今度な」


「ブー」


 ひよこのくせに肉食とかどういう体構造してんだこいつは? 軽く脱力感を覚えつつ、ひとまず帰ろうとすると、

 


「本当にこっちか?」

 

「確かだ、足跡がある」


「ったく、すぐに片付く依頼だっていうから引き受けたのに、こんな手間かけさせやがって」


「しかたねぇよ。このあたりはレッドホーンラビットがよく取れるからって数年前から乱獲されて数が減ってるらしいからな」


「どうでもいいからとっとと捕まえて帰ろうぜ、日が暮れちまう」


「おい、ちょっとまて、誰かいるぞ」



 入口の方からごつい恰好の男二人がダンジョンに入ってきた。





「本物の侵入者が来ちゃった」


「ですね」


 



 次回予告


  いよいよ始まるバトルパート!

 ダンジョンマスター大地の隠された実力がついに明かされる!?


 次回 初陣     お暇なときにでもお読みください。



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