第七章
第七章 「不死鳥の涙」
手掛かりも当てもなく歩いていくと小さな洞穴を見つけた。
この中にあの少女が居るかもしれない。
僕たちは洞穴の中へ入っていった。
「…占い師さん…?」
僕たちは少女を探して洞穴の奥へと歩いていった。
「なんて長い洞穴なの…、もう疲れたぁ…」
弱音を吐きながらも僕の後についてくるサクラ。
確かに長い、そして暗い。
外の明かりは洞穴の奥までは届かないみたいだ。
流石にここには居ないか…。
諦めて洞穴から出ようとした時。
〈…うっ…、うっ…〉
誰かがすすり泣く声がした。
恐る恐る声のする方へ近づいてみると暖かそうな毛が見えた。
こんな何もないはずの洞穴に毛布…?
僕が疑問に思っているとサクラが目を輝かせながら、
「ふかふかの毛布!これで寒さがしのげるわ!」
と言い謎の毛布にダイブした。
すると謎の毛布が動いた。
「お…お化け…?!」
後退るサクラ。
しかしそれは巨大な鳥だった。
よく見るとその鳥は泣いていた。
「…何で泣いてるの…?」
もしかしてサクラのダイブが痛かったとか…?
「あっ!怪しい者じゃないよ!」
両手を振りながら言うサクラ。
…否、十分怪しいよ…、急にダイブされたら…。
取り敢えず心の中でツッコんでおく。
「僕たち…、ある少女に連れられてここまで来たんだ。
…でもその少女が居なくなっちゃって…」
僕は巨鳥に、ここに来るまでの経緯を話した。
話したところで何も変わらないけど。
僕の心の中は不安で押し潰されそうだった。
帰りたくても帰れない。
前に進みたくても怖くて一歩が出ない。
この巨鳥に何があったのかは知らない。
だけどきっと今の僕たちと同じ気持ちなのだろう。
〈助…けて…〉
巨鳥の目から一筋の涙が零れ落ちた。
「…うっ…!」
急に頭痛と眩暈に襲われ、その場に倒れ込む。
「えっ?!ちょっとスカイ?!」
サクラの声が微かに聞こえる…。
視界が暗くなっていく…。
意識が遠くなっていく…。
僕はそのまま気を失ってしまった。