第六章
第六章 「未知なる世界」
―…あれ…、体が動かない…。
痛みとかは感じないけど金縛りに遭ったように全身動かなかった。
微かに感じる風の流れ。
朦朧とする意識の中で沢山の思い出が雲のように流れていく。
僕を支えてくれた皆…、サクラ…、父さん…。
”スカイ!”
皆の声が聞こえた―ような気がした。
意識が遠のいていく。
僕もう…、駄目みたいだ…。
ゆっくりと目を閉じようとした時。
「スカイ!」
今度はちゃんと聞こえた。
…そうだ。
ここで諦める訳にはいかない。
僕は誓ったんだ。
父さんの夢を叶えるって。
実現してみせるって。
「…うぅ…」
目を覚ますとサクラが心配そうに僕の顔を覗き込んでいた。
「あっ!スカイ!良かったぁ…」
ほっとして安堵の溜息を吐くサクラ。
その様子からしてかなり心配してくれたのだろう。
「ここは…?」
いつの間にか動くようになっていた体を起こして辺りを見渡す。
目の前にはどこまでも続いていそうな草原が広がっていた。
本当にワープしちゃったんだ…。
限りなく続く空と草原の地平線を眺める。
「ねぇ、スカイ…」
サクラが心配そうな顔をして言った。
「何処を探しても…、あの占い師さんが見当たらないの…」
「…えっ?」
僕たちをここへ連れてきたあの少女が居ないとなると…。
「…どうしよう…」
何の行動も出来ない訳で。
だけどこのままこうしていても何も始まらない訳で。
「とにかくあの占い師さんを探さなくちゃ」
こうして少女の捜索が始まった。
そしてこれが未知なる世界の大冒険のはじまりだった。