第二十二章~最終章
第二十二章 「現在へ」
帰る支度を済ませた僕とサクラはフェニックスに連れられて森に来た。
その森はこの世界に来る前に少女に連れられて行った秘密の森に何処か似ていた。
「そういえば僕、フェニックスに聞きたいことがあったんだ」
僕は思い出して言った。
〈何ですか?〉
フェニックスが僕に問いかけた。
「うーん…、やっぱり良いや!」
僕はフェニックスに明るく言った。
フェニックスに聞きたかったこと。
呪文のこと、少女のこと、手紙のこと。
だけどそれはもう終わってしまったことだ。
今更フェニックスに問い詰めても良いことなんて何もない。
だからこれ以上深く考えないようにする。
「お別れだね…」
〈大丈夫ですよ。この世界は永久に不滅です!〉
僕とサクラはフェニックスの言葉を信じて現在へ、僕たちの世界へと帰っていった。
「…うーん…、ここは…?」
目を開けると見慣れた景色が広がっていた。
僕たちは帰ってきた。
でもそこに秘密の森はなかった。
「きっともう必要なくなったんだよ」
僕はサクラにそう言った。
最終章 「エピローグ」
この夢は今も僕の中で生きている。
僕は皆の「無理」を「出来る」に変える。
その為に今日も僕は空を飛ぶ。
父さんが残してくれた無限に広がる大空を。
これで完結となります。
ここまで読んでくださった方、有難う御座いました。