第三章
第三章 「謎の占い師」
僕がいつものように小型飛行艇のメンテナンスをしていると見知らぬ少女が玄関の前に立っていた。
フードを顔が隠れるくらい深く被った不思議な少女、占い師のタマゴだという。
でも占い師のタマゴがどうして僕の家に…?
「あの…、少しお伺いしたいことがありまして…」
そんなことを考えていると少女は言った。
ちょっと怪しいけど困っているみたいだし…。
少しだけ考えて僕は少女を家に入れた。
サクラがお茶を淹れるなり少女は話し始めた。
「…今朝…、ここに手紙が届きましたよね…?」
「…えっ…?」
何も言っていないのにどうして分かったんだろう…。
「は…はい…、でも何故それを…?」
動揺しながら少女に聞くサクラ。
「私は沢山の修行を積んできました。それくらい分かって当然のことですよ」
少女はそう言った後、
「その手紙を見せて頂けませんか?」
と言った。
ただの悪戯だろうし断る理由も無いし…、まぁいいか。
僕はポケットから折り畳んだ手紙を取り出して広げて少女に見せた。
「これがその手紙なんですけど…」
「ありがとうございます」
少女は机の上に置かれた手紙を手に取り
「今から解読します」
と言った。
「えっ?どういうことですか?解読って…」
この手紙は悪戯ではないのだろうか。
だとしたら…、一体…?
「この手紙は…、古の戦士からの救求の手紙…」
少女は手紙に手をかざしながら言った。
「古の戦士って?」
とサクラが聞くと少女は続けた。
「古代の世界を守ったと語られている幻の戦士です」
そんな大昔の話なんて聞いたことがなかった。
古代の世界や古の戦士なんて実在するのかも分からない。
だけど。
「古の戦士は僕たちに助けを求めているんですよね」
手紙の送り主、古の戦士は僕たちの力を求めているんだ。
でもどうして僕たちに…?
「はい、古の戦士は貴方方の力を必要としています」
少女は頷いて言った。
それに応えるように僕も頷く。
「ちょ、ちょっと!何の根拠もなくそんな…」
そうだ、根拠なんてない。
だけど僕たちの力を求めているのは確かな気がするんだ。
僕たちは行かなくてはいけない気がするんだ。
「僕、行ってみようと思うんだ」
「えっ…、でも何処へ…?」
「それなら私に任せてください」
少女は言った。
「えっ…?」
「任せるって…」
一体この少女は何者なのだろうか。
「私についてきてください、こちらです」
少女は立ち上がり僕の家を出た。
僕たちは訳が分からないまま少女についていった。
そして少女は僕たちを森へと案内した。