第十七章
第十七章 「再び遺跡へ」
翌日、僕たちはもう一度遺跡に行ってみることにした。
遺跡は崩れ、ボロボロになっていた。
「…何か僕…、悪いことしちゃった…」
項垂れているとフェニックスが慌てたように言った。
〈スカイさんのせいじゃないですよ!この遺跡、百年近くも建っていたんです。寿命がきたんですよ。だから気にしないでください〉
フェニックスはそう言うけど僕は気がかりで仕方なかった。
もしかしてフェニックスとこの遺跡は何か繋がりがあるのではないか。
そんなことを思いながら僕たちはボロボロに崩れた遺跡の奥へと進んでいった。
遺跡の中は外よりも崩れていて至るところに柱の破片や壁から剥がれた石版が転がっていた。
…フェニックスも…いずれ…。
そう思うと自然と歩幅が小さくなっていく。
前を見るとフェニックスの歩幅も小さくなっていた。
僕に合わせてくれているのかな。
否、違う。
理由は見れば分かった。
フェニックスはいつもよりずっと悲しそうな顔をしていた。
フェニックスは自分でもよく分かっているんだ。
怖くて不安で堪らないはずなんだ。
それでも僕たちが不安にならないように泣きたいのを我慢して前に進んでいるんだ。
そうだ、ここで僕たちが弱気になってちゃ駄目なんだ。
暫くして遺跡の一番奥に到着した。
入口と同様に崩れてはいたが僕が見つけた奥へと続く道は塞がっていた。
「あれ?スカイが言ってた地下の広間なんて何処にもないよ?」
辺りを見回して言うサクラ。
「うーん、おかしいなぁ…。あっ、そうだ」
僕は隠された広間を見つけた時のことを思い出して壁に駆け寄った。
「確かここにスイッチが…」
苔の生えた古びた壁を探る。
目印があって良かった。
カチッ
「きたっ!皆離れて!」
スイッチを押した手ごたえを感じてその場から離れる。
暫くして地面が揺れ始めた。
「えっ?!何これ?!」
サクラは早くもテンパり状態。
「隠された広間の入口だよ。行くよ!」
「えぇ?!ぅあきゃああぁぁー?!」
以前と同じく急落下。
僕は落下に備えて構えていた為、擦り傷程度で済んだがサクラはもろ地面に叩き付けられた為、暫く動けなかった。
暫く歩いて僕が気絶したところまで来た。
天井を見上げるとぽっかりと穴が開いていた。
「ここからは僕も行ったことがないからよく分からないんだよね」
溜息をついて前を見る。
この先に一体何があるのか。
不安と期待が入り混じった不思議な気持ちで僕はまた一歩、歩き出した。