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第十五章

第十五章 「過去と未来と現在」


気が付くとそこは小さな鳥の居る場所だった。

小さな鳥は更に小さくなっていた。

以前よりも弱弱しく、この世界から消えてしまいそうな状態だった。

―…助…けて…―

初めて聞いた声。

でも何処かで聞いたことのある声。

…そうだ。

〈スカイさん!〉

この声は…!

その瞬間、辺りが眩い光に包まれた。


気が付くとそこは僕の家の前だった。

でも少し様子が変だった。

〈…スカイさん…〉

後ろにフェニックスが立っていた。

「ここは何処なの?ねぇ、何を隠してるの?」

何故僕はここに居るのか、何故フェニックスがここに居るのか。

〈…ここは…”現在”…〉

フェニックスは小さな声で静かに答えた。

「…現在…?何のことか分からないよ」

不安の渦で押し潰されそうだった。

何度か気を失って薄々分かっていた。

〈貴方が出会った小さな鳥は僕自身なんです…〉

いたけど。

〈…僕はもうすぐ…、消える運命にあるんです…〉

…やっぱり。

フェニックスはもうすぐ消える。

あの世界で生きた証とともに。

フェニックスは意を決したように僕を見て言った。

〈…これは運命…。誰にも変えることの出来ない宿命…!〉

「…!」


再び辺りが光に包まれたかと思うと僕は洞穴の中に居た。

「…あれ…?」

次々と場所が変わり少し混乱していると奥からサクラが駆け寄ってきた。

「スカイ!大丈夫?」

サクラの顔を見ればどれだけ心配してくれていたか直ぐに分かった。

「うん、大丈夫だよ。…フェニックスは…?」

僕は直ぐにフェニックスに会いたかった。

会って話がしたかった。

「スカイを寝かせるなり走ってっちゃった。何か慌ただしい感じだったよ」

そのサクラの言葉に僕は確信した。

フェニックスに”死”が迫っている。

フェニックスがこの世界から消えてしまう…!

何も出来ない自分が腹立たしかった。

何か出来ることはないだろうか…。

そう考えている内に一つの疑問が出てきた。

ここは何処なのか。

あの時…。


―貴方が出会った小さな鳥は僕自身なんです…―

あの小さな鳥が本当にフェニックス自身だったら…。

―…僕はもうすぐ…、消える運命にあるんです…―

フェニックスは本当に消える運命だったら…。

―…ここは…”現在”…―

僕たちの世界が”現在”なら…。

小さな鳥が居たあの場所は”未来”…。

だとしたらここはもしかして…。

”過去”…!

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