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第十四章

第十四章 「遺跡の謎」


その頃僕は遺跡に来ていた。

何故かは分からない。

でも何かを感じていた。

きっとここに…、ヒントが隠されている…!

根拠はなかった。

ただ確かめておきたいことがあった。


僕は遺跡の一番奥の部屋、遺跡の祠で足を止めた。

台座には以前と変わらず命のカケラが浮かんでいた。

ここに何かあるはずだ!


僕は手当たり次第に遺跡の祠を調べた。

壁伝いに沿って歩いてみたり、崩れかけた柱の埃を払ってみたり…。

そして苔の生えた古びた壁を触った、ちょうどその時。

カチッ

というスイッチを押した時のような音が遺跡中に響いた。

「…カチッ?」

体がふらつく。

元々体調不良だったが原因はそれではなかった。

足元に目をやると地面が揺れていた。

その揺れはどんどん大きくなっていく。

何かもう嫌な予感しかしない。

「…まさか…」

僕が理解するのとほぼ同時に地面が崩れ始めた。

「…やっぱり?」

もう足元には地面と言えるものはなかった。

そのまま重力に従って急落下。

受け身をとる余裕もない僕は思い切り地面に叩き付けられた。

「あぅっ!」

体に衝撃が走る。

暫くしてゆっくりと目を開けてみる。

辺りには大小様々な石やら岩やらが転がっていた。

そして天井には大きな穴が開いていた。

「…助かった…?」

ここは…、どこだろう…。

体を起こして再度辺りを見回した。

まだ少し体が痛むがそれは我慢しておく。

遺跡の下に隠された広間。

やっぱり何かあったんだ!

僕は駆け出した。

遺跡の謎を解く為に。


その頃フェニックスたちは…。

「地震?!一体何が起きてるの?!」

突然起きた地震に慌てるサクラ。

一方のフェニックスは先程と同じように不安げに遺跡を見つめていた。


〈…この揺れは…、まずい!〉

フェニックスは危険を察知して器用に尾でサクラを自分の背中に乗せると遺跡目掛けて走り出した。

「?!ちょっ!何っ!って!のっ?!」

勢いよく当たる風で上手く喋れないサクラ。

〈スカイさん…、どうか無事で居て…!〉

フェニックスは強く念じた。

僕に届くように。

でもその心の声は届かなかった。


僕は遺跡の奥に進むのに必死だった。

「…長いなぁ…、道間違えたかなぁ…」

息を切らしながら歩いていると上から小さな石が降ってきた。

よく見るとそれは天井の破片だった。

「…そうか…、遺跡は完全には崩れていないんだ」

と理解したとほぼ同時に上から次々と石が降ってきた。

もはや石の雨だった。

そして最後には天井ごと落ちてきた。

もう駄目だ…!

諦めかけたその時。

〈諦めては駄目!〉

フェニックスの声が聞こえた―ような気がした。

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