第十三章
第十三章 「予感」
今日は朝から気分が悪かった。
体がふらふらする。
頭も少し痛い。
朝食を食べる気力もなかった。
結局今日の探索はサクラとフェニックスで行くことになった。
「…今頃どうしてるかな…」
僕は心配で寝てもいられなかった。
フェニックスのこと、少女のこと、あの小さな鳥のこと…。
それと一応サクラも。
「やっぱり駄目だ…!」
我慢しきれずに僕は外に飛び出していた。
分かっているけど体が勝手に動いてしまう。
僕は無我夢中で走っていた。
その頃サクラとフェニックスは森の中に入っていた。
「本当にこんな所にあるの?」
自分の背丈程ある草をかき分けて歩きながら言うサクラ。
「多分ここには無いと思うわ。別の場所を探してみましょう」
虫嫌いのサクラは早く森を出ようとフェニックスを促した。
〈……〉
しかしフェニックスは黙ったままだった。
そして何かを感じ取ったように遺跡の方を見た。
〈何か…、嫌な予感がする…〉
フェニックスは不安げに遺跡を見つめていた。
「…フェニックス…?どうしたの?」
そんなフェニックスの様子に心配になって問うサクラ。
〈あぁ、すいません…。そろそろ行きましょうか〉
サクラに笑いかけて言うフェニックス。
「うーん…、やっぱり聞こえないなぁ、フェニックスの声」
腕組みをするサクラ。
そんなこんなでサクラとフェニックスは命のカケラの探索に戻っていった。