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さっちゃん  作者: 菜乃香
9/10

手遅れ

 ふと気がつくと赤く染まった部屋に、その女は立っていた。


 手には血がべっとりとこべりついた斧、そばにはベタベタなはさみ…そして目の前には自分の娘。


 たった一人の愛しい娘 祥子  。


 両足から大量に出血し、白目をむいたままピクリとも動かない祥子の姿を見て初めて母親は恐怖を覚えた。


 と同時にその場に泣き崩れた。




 あぁ、この人は大変酷いことをしてしまった。


 なんて哀れな「さっちゃん」でしょう……。


 ……?  そうでもないみたいですね。 想像して下さい。   「さっちゃん」がおこっている…。




 ……ピクッ……


 母親は顔を上げた。


 「…おかあ…さん……お…かあさ……ん?」


 母親は悲鳴をあげた。


 祥子は起き上がった。しかし、その目から生気はまったく感じられない…。


 学園七不思議「さっちゃん」の誕生である。


 「み…みて……おかあさん…どこもいたくないよ……ありがとう……。なん…でそんなに…ふるえてるの…?どこかいたいの…?」


 祥子は母の手から落ちた斧を手に取り続けた。


 「………まっててね、これで足を切れば…いたくなくなるんだよ……。」


 最後の最後、母の顔色は真っ青だった。




 そしてそれから一週間後、アパート1階奥の部屋から両足のない女の遺体のみが発見され、


 女の両足と祥子の行方がいまだにわかっていないという。


 「さっちゃん」の童謡歌詞3番


 ♪さっちゃんはね 遠くに引っ越すって本当かな

  だけど ちっちゃいから 僕のこと忘れてしまうんだよ

  悲しいな さっちゃん


 その通りだと思いませんか?


 それとこの「さっちゃん」の歌 最初に歌っていたのは   つとむ君だったそうです。






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