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さっちゃん  作者: 菜乃香
6/10

死因

 さぁさぁ、大変おまたせ致しました。


 前回も言っていた通りですが、『さっちゃん』の死因についてお話するとしましょう。


 そもそも『さっちゃん』というのは…なんですか?


 …いいから死因を教えろ?


 ハッハッハッハ!


 いやぁ…、あなたには参りました。   とても私の好みでございますよ。


 …?   あぁ、変な意味ではございませんよ、クックックックッ…。




 そこは古い…というより、ボロボロな2階建てアパートでした。


 アパートの1階、1番奥の小部屋にその女の子は住んでいました。   『さっちゃん』。


 本名は『祥子』。5歳の幼稚園年中。


 父、母と3人家族で、とても素晴らしい家系だったのにもかかわらず突然の離婚となり


 今は祥子と母の2人でとても貧しく暮らしていました。


 母は、祥子にだけは…幸せになってほしい、…辛い思いをさせたくない、と強く思っていました。


 が、働きすぎた母は酷く痩せこけ、やつれていき、


 終いには祥子に 虐待 を加えるようになっていきました。


 それでも祥子はお母さんが大好きだったので、


 アザが出来ようが深い傷が出来ようが、幼稚園に通っていました。


 先生が 「さっちゃんその傷どうしたの?」と聞いてきても、


 祥子は 「転んでね、すべり台にぶつけちゃったの !」と言うだけ。


 誰もが虐待にあっているのではないかと思いましたが、


 祥子は明るく振舞うだけで、決して本当のことは誰にも言いませんでした。


 ……それは怖いのではなく、純粋にお母さんが大好きだからでした……。






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