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さっちゃん  作者: 菜乃香
2/10

冗談

 まず、『さっちゃん』の代表的なお話をしておきたいと思います。




 ある学校の休み時間のことです。


 3年1組に、怖い話をみんなに話すことが大好きな、女の子がいました。名前は、彩音(あやね)ちゃんといいました。


 今日も、彩音ちゃんはみんなに怖い話をしようと声を掛けました。


 「怖い話聞きたい人この指と〜まれ!」


 はい! はい! いつものように、次々と集まってきます。


 みんなも、彩音ちゃんが話す怖い話を聞くのが楽しみでした。


 「今日は『さっちゃん』っていう子のお話だよ。

  …でもね、この話を聞いた人は夜寝る前にバナナを書いて、枕元に置いてから寝ないと大変なことにな るんだ〜。

  それでも聞きたい?」


 クラスのみんなは少々戸惑っていましたが、うなずきました。


 「…じゃあ、話すね。

  『さっちゃん』っていうのは、小さい頃お母さんに足首を切り落とされて死んじゃった女の子のことなんだよ。

  髪の毛は短くて、目はギラギラしてて、口が裂けてるの。

  夜中に、この話を聞いた子の足首を片っ端から狩落としていくんだって〜。大きな斧で。

  でも、『さっちゃん』はバナナが嫌いだから、絵を置いておけば助かるって話だよ。」


 「…じゃあ、大変なことってもしかして…。」


 クラスの女の子がおそるおそる聞くと、彩音ちゃんは言いました。


 「そうだよ。寝てる間に『さっちゃん』が来て、足首をもらいに来るんだよ。」




 あなた達から見れば、ただの作り話や噂話にすぎませんよね?


 私も最初はあなたと同じ考えでした。


 確かにそれは、みんなの怖がる顔が見たくて言った女の子の冗談でした。   最初はね…。




 キーン コーン カーン コーン…   キーン コーン カーン コーン………


 チャイムが鳴っているにもかかわらず、『さっちゃん』の話題で持ちきりの生徒達は座ろうとしません。


 そこに先生が入ってきました。






 

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