ケリーとミケーレの夢
≪もしもミケーレが王族とか家とか捨てて、ケリーといっしょに魔法の国に移動した場合≫
「……義兄様、何してるの?」
「あぁ、マリアンジェラ……あのね、服をどうしようかとおもって」
ごっちゃ返しになっている洋服の悲惨な光景。
「服?」
「そう」
「なんで……服?」
「えへ、ケリーとデートなんだ」
「そう」
でれっと笑う顔は幸せそうな人。
うらやましいと思う反面……なんでカバンの中にふりふりのれーすのドレスをもって行こうとするのはなぜだろうと、気になって仕方ない。
なんで?
「いや、あの、お義兄様?」
「うん?」
服を着込んで、鏡で確認している。
「じゃあ、いってくるね」
「や、あの、あの・・・・うん」
もはや、つっこむまい。
屋敷を出て、近くの森へ行く。
そんなに人気があるわけじゃないからいつもデートというか逢瀬は此処。
「やぁ、ケリー待った?」
「待っていないといいたいところじゃが、十分も立ちっぱなしじゃったわ」
「座っててもよかったのに、ケリーって僕のこと大好きだよね」
「んな!!何を言っておる!!」
拳を振り上げたので、手でガードしながら笑顔で謝った。
「でも、僕はきみのこと大好きだよ?」
「だ、から……はぁ、なんでそんな恥ずかしいことさらっといえるんじゃ」
「好きだから」
ケリーの手を握り、歩き出す。
「今日はどこへいこうか」
「ふん、どこでもよいわ」
「そうだね、僕も」
ケリーの顔を見つめる。
「君と一緒にいられるなら、どこでもいいよ」
「ッッッ!?」
顔をかぁーっと真っ赤にする彼女のかわいらしいこと。
頬をなでれば気持ちよさそうに目を細める彼女はまるで「ねこ」だけど普段の彼女は言われたことに従順に従う「いぬ」
でも僕の前では可愛い可愛い「うさぎ」さんなんだよね
「じゃあ湖でマイナスイオンでも浴びに行こうか」
「そ、そうじゃの」
湖
魔法の国の湖はいつもキラキラ光っている。
「それにしても、自分がまさかウェザーミステルにくるとはおもわなんだわ」
ステラが王に逆らい、この国へ行くと名乗り出たと聞いたとき、なんと愚かな…と思ったことを覚えている。
だけど、今なら分かる気がする。愛しいもの、大切にしたいものがそこへ行くというなら、自分も一緒についていき、支えたいと思う。
「僕も、怖い国だと思ってたから、まさかこんなにいい国だったなんて意外だよね」
「そうじゃな」
「……皮肉な話だけどマリアンジェラが、先にこの国に来ていてよかった。いなかったらきっと戦争は続いていたね」
「そうじゃな、あいつ一人での力ではないにしろ。誰かが立ち上がらねばならんかった……自分では、決して和睦などの考えをもたなんだろう」
「それに、僕らを受け入れてくれたし」
湖を見ながら座る僕たち。
「すうすう」
気が付けば眠っているケリー。
彼女の頭をなでる。そしてそっとキスを落とす。
「ありがとう、愛してるよ。どんなことがあってもずっと、僕の心は君のものだよ」
いまは夢の中でゆっくりお休み。
「あれ」
チェッピーの散歩に来ていたステラは不思議な光景を見た。
ふりふりのピンク色のスカートとリボンの多い服を着たケリーが、剣を鞘から抜いた状態で顔を真っ赤にさせてマリアンジェラの兄であるミケーレを追いかけている様子だった。
よくわからないけど
「仲いいなぁ」
そしてやっぱり思う
ケリーって名前の女の子は元気すぎるんだよ……って




