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影姫の暴走奇譚  作者: 綴何
本編
42/71

第四十一章

「ドラゴン?」

 テルーカは悲鳴をあげた。

「研究室にドラゴンなんてでかいの入れないよぉ!?」

 どっごぉぉーん、その返事をするかのように破壊音とともにもくもくと煙が上がる。あっちの方角は丁度パンドラの扉を置いてある場所だ。

「王様!大変です敵が・・パンドラに親友しました!じゃなくて侵入しました」

「落ち着け雑兵。で?敵はどこのものだ?」

「アースグランドじゃないほうのアスランダの者とおもわれます!」

「お前ややこしい!他のヤツにかわれ」

 テルーカが泣きそうな声をだした。

「今までの研究パァーだよぉ!?くっそーシュシュのヤツだな」

 風になると、そのまま消え去った。

「軍を出せ!パンドラを守れ・・なるほど、我らの祖先と共に生きていたのがドラゴンって説があったな・・ドラゴンなら読めるかもしれないな」

 王様は舌打ちする

「でもアスランダみたいな小国がパンドラをどうするつもりだ?」

「アースグランドをつぶすんじゃないっすか?潰したいみたいですから」

「じゃー別にいっか」

「よくないです!アレの中なにか分からないんでしょう!?」

「おこられちった」

「ねー」

「もうそれはいいですから!」

 ララーは考えるしぐさをしてポツリと言った。

「開けれるかは知らないけど、もし開けられたら先に中をみられるってことよね」

「それは駄目、最初に見るの余だから」

 王様は立ち上がり将軍クレトを呼ぶと、侵入者の排除を命令した。相変わらずココの人って自由・・。

「俺たちも行こう」

 ウィルがマリを抱っこすると魔法で移動した。本人の意思なし←

「うそ、きゃあ」

 上空にて留まり下を見ると、立派な髭の長いドラゴンがどっこいしょとばかりに鎮座していた。

「あ!あれ、テルーカじゃない?」

「ほんとだ」

 シュシュと地面で殴り合っていた。子どもの喧嘩にしか見えない

「おっと」

 ウィルは緊急回避を行った。

「きゃ!?矢!?」

 其方の方向を見ると気の強そうな女が弓矢を構えていた。

「人の領地でなにしてんのさ」

 黒い光を手に平に集めるとウィルは害のアル獣のような笑みを浮かべた。

「止めッてってば」

 ウィルの頬をはたく。人殺しなんて見たくない。


「さぁ、読めドラゴン・・この国やアースグランドに復讐したいのだろう」

『といってものぅ、老眼ジャからの・・』

「爺臭いドラゴンだな・・」

「そういうなってセオ・・実際年寄りらしんだから」

『パンドラのこれのことについて書いておる。≪これよりの扉が開けられしとき、世界は荒ぶ。再び閉じん時には扉と契約を果たせ≫と』

「閉め方じゃないってーの!開け方だよ!」

『五月蝿い若者じゃのう・・ワシは読めとしかいわれとらんわい』

「そうか」

 アキレスは考えた顔をした。

「開けらし時・・ってことはいずれは開く運命なんだ。だから此方からは干渉できない」

「ココまで来て開けられないってことかよ!」

「中のものが起きたら開けるだろうさぁ・・鍵は開いてんだから」

 ぼろぼろの姿のシュシュが現れた。

「どうやってあけるの」

 威嚇の格好をしたままのルイツが聞くと、シュシュは攻撃魔法をドラゴンに向けて撃った。

 びしゃ!血が扉をぬらす。

「キャッ!?」

 マリは口を押さえた。なんてことを!!?

『オォォォォオオ!』

 ドラゴンは雄叫びを上げ上空に飛び立った。

「シュシュ!なんてことを」

「だって、少なからずコレを封印したものの血が必要なんだもん、byテルーカ脳内情報」

 そのテルーカは脳内を強く揺さぶられ、脳震盪を起こして気絶していた。

「外道だな」

 自分もやろうとしたウィルにいわれるぐらいだから、よっぽどだろう。

 しかし、パンドラの扉に何の変化も見られない。

「あっれぇー?おっかしいなーテルーカの当て外れ?」

『己小童めが!!!』

 ドラゴンが口から高温の炎を放った。

 シュシュは魔法で防御を張ったが、溶けた。すぐさま後ろに居たアスランダ組みは逃げだす。

「やっぱりシュシュの情報はあてにならないではないか!!どう収集つけるつもりだ」

 ルイツは走りながらシュシュに怒鳴った。

「どないしよ」

 反省はしていなかった。

「あ、なんか嫌な予感」

 ウィルが言った。マリも同じ感じがしていた。

ごぉぉぉおおおおおおおお!!

 案の定怒り狂ったドラゴンが周りを炎の海と化した。

「あちちち!結界がとける」

 ぼう!

「あっつ!?」

「きゃ!?」

 ウィルの手袋に炎が燃え移り、火傷の痛さのあまりウィルはマリを落としてしまった。

「きゃぁー!?」

「しまった!マリ」

 炎に飲まれる。

 周りが紅い・・ごうごうと燃えているが、熱くない・・。そっと目を開けると誰かに抱きしめられているのが見えた。

「・・・・嘘」

 マリは口を押さえた。

「シーヴァー!」

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