第三章
(だーかーらー!!なんっでウチンとこ来るんだお前は!!)
って言いたいけどあきらか消沈しているマリに何もいえない良い人なステラさん。
「おい、大丈夫か?」
「・・」
人の(ステラ)のただでさえ狭い部屋を占拠して干したばかりの布団の上で横になったままピクリとも動かなかった。あまりにも動かないのでだんだん本気で心配になってきたステラ
「大丈夫か本気で、生きてる?」
「・・ステラ」
「うん?」
マリは起き上がると今まで以上の・・いやまるで仮面をつけているような表情でステラを見た。
「今までありがとう」
「え?え?え?え?」
そのまま歩いて帰っていくマリをステラは追いかけた。
「お前、まさか失恋のショックで死ぬつもりじゃないだろうな!?」
「ううん・・もう、本当いいんだ」
やっと捕まえて振り向かせる。
「たった一回の失恋じゃないか!そこまで気を落とすこと無いだろう」
マリは首を横にフッタ。
「別に気を落としてるわけじゃないの、ただだいぶ精神的ダメージが酷くて・・表情が変わらないだけ」
「病気だソレ!!!」
「大丈夫、いつものことだから・・心配しないで」
(やばすぎる)
ヨロヨロと歩いていったマリの背中を見守りながらステラは拳を握った。
スゴイ心配だ!
どうせ私は『影姫』・・だれも私目を向けない。そういうふうに私も周りもそう思ってきた。
思ってきたから!
「もう、どうでもいい」
人は壊れたときなんでもできるらしい。
「お父様お母様、私宮中に上がりたいんですが」
「は?」
いつも人の話を聞かず自分の意見ばかり押していく両親も、先手を打たれ何もいえなくなった。
「ミケーレ義兄様の手助けになればとおもいまして・・」
「まぁ、素敵なことね」
「そうだな、宮中で働いた女性は婿の貰い手も良いしな」
両親も納得し、コネやツテをふる活用してマリは宮中に上がった。
すぐに会えるというわけでもなく、まず一年は指導を受ける事となった・・厳しいものもあったけど、マリは泣くことも無く無事研修を終えた。
「・・・・」
マリは同室になった少女をチラ見した。
「んだこら」
「・・ステラ農業良いの?」
あがろうと決めたマリの目の前に現れたステラは自分も連れて行って欲しいと言い出した。両親はステラの両親を良くしっていたし、野菜をそこでよく買っていたから快くでは無いにしろ、了承してだしてくれた。
「お前が心配だからな!見ていてやる」
「ありがとー」
「ほんっとお前ってすごいよな」
ステラはカーテンを閉めながらマリを見た。
「目力だけで酔っ払い兵士を威圧してしまうんだから」
「・・腕っ節はステラのほうが強いけどね」
「あったりまえだろ!」
明日からはさっそく配置につかされる。ステラとマリはミケーレ親衛隊になることができた。
「お前平気なのか」
「うん」
シーヴァー・・うぶぅ・・う、コホン
「さぁ明日に備えて寝よ」
「くがー」
「早!!」