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影姫の暴走奇譚  作者: 綴何
本編
33/71

第三十二章

三十一章の別視点

読まなくとも大丈夫な章です


 シーヴァーは表を攻め、インファは背後により攻める。挟み撃ちにして相手を打ち砕く作戦だ。この作戦はありきたりだが、今までアースグランドを攻めようと攻撃してきた国があったが、シーヴァーとインファがそろい協力することにより、負けたことはなかった。

 ・・だが

「化け物めっ・・!」

 インファは汗でゆるくなった剣を握りなおした。

「名を名乗れ!」

 闇色のマントを身に纏い風に靡かせる男が一人居た。

「わが身に名はない、人からは最強な盾と呼ばれている」

 マントの男は片手を挙げるとそこから鈍い光を放った。

「出でよ『月光狼炎』」

 光から無数ものおぼろげな形をした狼がインファに襲い掛かる。

「其方の名を聞く必要はない・・なぜなら死ぬのだから」

 狼がおぼろげな形からハッキリした化け物へと変じ、後退するインファにしつこくまとわりつく。

(・・く、魔力が吸われていく・・力が)

 インファは武器を投げ捨てると渾身の力をこめて走り出し、最強な盾に拳を殴りつけた。・・が

「結界か!」

 手を触れることすら許されない。それが最強な盾の所以

「・・もはやこれまでか・・ゴメンナサイ・・お母様」

 お父様、お母様、仇討ちできなくてごめんなさい

「インファ!」

 シーヴァーが現れマントの男を蹴飛ばした。

「一時休戦に入った、兵をひかせろ」

「わ、わかった。兵一旦軍に戻れ!」

 インファについてきていた少人数の兵士が命令に従い退いていく。

「逃げるか、ソレもまた良し」

「私は逃げないわ」

 インファは剣を使い、切りかかるが避けられる。シーヴァーも剣をとり男に迫るが二人の攻撃は当たらない。

「敵は殺す。それだけだ」

 最強な盾の気迫で二人は飛ばされた。

(あ、街のほうに飛ばしてしまった・・まぁ、いいか)

 最強な盾は飛んでいった二人を追いかける。

「化け物め!」

 インファは悔しそうに着地した。

「来るぞ」

 現れた敵に炎を叩きつけるが、腕を振るわれかき消された。

「『緋去螺旋花』」

 花びらが舞い散る。

 どんな攻撃も無効化されてしまう。二人は身構えた。

(一体何処に弱点が・・それにしても竜族に勝ることのできる人間など・・本当に人間か?)

 マントの男は手を差し出した。

「『突破激剥』」

 殺意のアル突風が二人を再び襲う。

「きゃあああああ」

 二人の身体はアル建物に叩きつけられた。

 シーヴァは着地すると上から叩きつけるようにマントの男が落ちてきた。

(・・?砂埃にしては湿っぽいな)

「――――っつ・・!」

 男は一旦退くと手を後ろに下げた

「・・消え去るがいい『虚空月下』」

 透明な三日月が刃のように相手に襲い掛かる。

「させるかぁ!!」 

 変な術を放ったマントの男に向かってインファは渾身の術を、上から発動させたが、マントの男は一mmも怪我をしていない。

 ―――と、懐かしい声が聞こえた。

「インファ!?」

「え?」

 開けてしまった穴から入ってきた風に湯気の煙はかき消され、視界がクリアになった。

「・・お嬢様?」

 そこには懐かしい愛しい存在が居た。

「・・!」

 あられもない姿で

「お嬢様、なぜ・・そのような格好で」 

「っいやぁあああああああああああああああああああ!!!変態!痴漢!破廉恥!見ないでぇ!」

「マリアンジェラどうした!」

 お嬢様がこれでもかというぐらい悲鳴をあげるとタオル一丁のアホも入ってきた。

「きゃああああああああああああああああああああ!!!!」

 お嬢様はオケを掴んで投げつけるとアホに命中した。ナイスですお嬢様

「お、お前等な~~!」

 崩れた天井の下敷きになっていたステラは自力で温泉から出てきた。これは気づかなかった。

「ドンパチは他所でやりやがれ!殺す気か!」

「いてて、あれ?テルーカちん」

「よ」

 気配のない存在がタオルをのけると、通常モードの服が現れた。精霊属か・・?

「最強な盾がてこずってるのはじめてみたぁね」

「我も人の子」

 最強な盾は温泉で濡れたマントを絞りながら言った。

 いつまでもお嬢様の肌を他人にさらす必要はないな、上着を脱ぐ

「お嬢様、少々汚れていますが上着をドウゾ」

 シーヴァーは上着を脱いでマリにかけようとした。

「嫌!」

 マリはシアの後ろに隠れた。

「わお」

 シアは腰に巻いたタオルが落ちないように掴む。

「・・」

 シーヴァーの動きが止まった。

「・・・・・・」

 拒絶?お嬢様が自分の意思でアホのところに・・?何故?彼は敵のはず、それに・・初めて私を拒絶した・・拒絶、拒絶・・へこむな

「シーヴァー!!」

 インファはシーヴァーの頭をはたいた。

「いったん退くわよ」

「・・あぁ」

 ギロ

 覚えておけよ、アホボーイ。いずれ殺す。お嬢様の見ていないところで


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