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影姫の暴走奇譚  作者: 綴何
本編
27/71

第二十六章


「レイモンドさん、彼女は私の友達ステラ・ジョーン」

 ステラは頭を下げた。レイモンドは疑わしげな目で見ていたが、ララージニアは娘が増えたと思っているらしく嬉しそうだ。

「日の光を十分に受けた健康的な肌してるわね~好きだわー」

「ちょ」

 ステラの肌を撫でながらララーはニマニマと笑っていた。そのスキンシップがだんだん激しくなっていた、ステラが暴れる。

 「ぎゃぁぁぁあああああ!!??どこ触ってんだぁー?!」

 「うふふ、んふふふふ、うふふふー」

 「ぎゃぁーぎゃー!?」

 マリはなんとも言えず見守る。なぜなら自分も受けた洗礼だから・・。

「ララージニア」

「何レイモンド」

 名前を呼ばれピタッと止めた。

「あまり、馴れ馴れしくするな・・攫われた友に会いにわざわざ危険を犯しに来るとも思えん。怪しい」

「そんな・・」 

 マリが心配そうな顔をした。が、ソレと反対にウィルシアは笑っていた。

「まーまー、で?どうだった?」

「そうね、心配と勢いだけで来た感じ?」

「?」

 レイモンドは髭を撫でながら微笑んだ。

「なるほど、先ほどは失礼した。マリの親友とならば我家は喜んで歓迎しよう」

「え?」

 ステラの目が丸くなる、マリも丸くなった。

 ・・なんで?

「ララーちゃん得意の魔法、≪心眼法≫だよん、心の奥そこに沈む感情を読みとる。欠点、平気で悪いことできるやつにはあんまり意味ない」

「でも、ステラちゃんそんなに悪い子じゃなさそうでしょう?」

 ステラは汗を流した。

「ただのセクハラじゃなかったのか?」

 マリもうんうんと同意を示した。

「安心していいのよね」

 ララーが言うとステラは頷いた。

「じゃー歓迎会しよー!!」

「おー!」

 どっかーん!!!

 ・・え?家が、天井が・・空が見えますよ?

「え?えっ」

「あらー?」

 シアが汗を流して両親を見た。

「チェッピー!」

 ダチョウのような、ヤギのような、ライオンのような・・動物。

「うおぉぉ!!??」

 ステラが攫われた。

「おぉー!?チェッピー!駄目駄目!返しなさい」

 シアがあわててチェッピーをしかる、と悲しげな顔をしながらステラを降ろした。

 真っ青の顔をしたステラが汗を流しつつ上を眺めて、叫んだ。

「なんじゃありゃぁああああああああああ」

「ごめーん」

 シアはテヘっと笑った。

「あのコ実験狂が主人でさ、失敗作っていわれて捨てられてたんだ。んで拾ったんだ」

「そうなんだ・・今まで何処にいたの?」

「かわいそうだろう?」

「うん・・で、今まで何処にいたの?」 

 レイモンドは電話を片手に修理を呼んでいた。

「あー」

 折鶴が空から飛んできた。ララーはソレを手に取ると開いた。

「あら、妹からだわーえーっと?・・『お茶会開くの来て下さい♥』だって」

「行って来い・・家のことは私がしておくから」

「愛してるわよレイモンド」

 ステラが小さい声で「安い愛だ」と呟いた。

「さーステラちんも行くわよ!誰かーフリフリの服をー」

「ふ!?」

 ステラが嫌そうな顔をした後マリアンジェラに耳打ちした。

「ど、どこにいくってんの?」

「王宮かなー」

「な!?王宮?!アタシただの農民だよ!?は・・入れっこないって!」

 どころがどっこい入れちゃうんだなー

「え?なに?何微笑んでんだ?なぁ?ねぇ・・ちょっと!?ってぇ!助けてー!?」

 この館のお手伝いさんたちによって、ステラは連れて行かれた。次会うときはきっと・・フリフリだろう。

「うきゃああああああああああ!!」

 それにしたってステラ・・悲鳴あげすぎやないかな?

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