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影姫の暴走奇譚  作者: 綴何
本編
24/71

第二十三章


 アースグランド国は人間の住まう国、農作や酪農・・鉱山の発掘など活発に行い国を営んでいる。そしてウェザーミステルは・・どうやって国を営んでいるのかまた謎なのであった。

「マリアン」

 ウィルシアに名を呼ばれ、顔を上げた。机の上においてあった本を閉じる。

「んー?何読んでたの?」

「歴史書・・なんだけど、どうしてこの国の歴史書・・薄いの?」

「書く人がいなかったんでしょ」

 へー・・って納得できるわけ無いだろう。

「・・ねぇシア」

「ん?」

 彼の家に来てからというもの、質をしてではなく、家族として迎えられていた。前の暮らしより此方の暮らしのほうが楽しいといったら、向こうの人たちに悪い気もする・・。

「私、人質なのに、いいのかしら・・部屋一式貰った上にこんなによくしてもらって」

「別にいいんじゃなーい?そのぶんララーちゃんに遊ばれてるでしょ?」

「・・・・・・」

 ララージ二アさん、普段はいい人なんだけれど・・たまに度を越した悪戯をしてくる。

「・・うっ?」

「?」

「くしゅん!!」

 なにやら急にくしゃみが出てきた。

「くしゅんくしゅん!・・はぁー・・え?」

 ウィルシアの目が驚きに見開いていた。

「・・何?」

 嫌な予感。

「は!」

 ぴょこ、ぴょこ・・これは、耳?長い?まさか

「うさ耳ィ――――!?」

「ぶはっ!?」

「シア!笑ってないで解いてー!?」

「無理だよ、コレがまじないなのかクスリでなったのかわかんないもん」

「って、きゃぁーーーーーーーーーー!何スカートの中を除こうとしているの!?シアの変態!!!」

 ばっしーん!

「で!?」

「何事ですか!?」

「ニヤニヤしながら来ない!」

 とりあえず一拍いて。怒る

 ララージニアは全く反省する様子はなく、ニコニコと微笑んだままだ。反省してもらうのはもう諦めよう・・。

「とにかく、このふざけた魔法解いてください」

「えー可愛いじゃん」 

 シアをキッと睨む。

「まぁ怖い、ね!ララージニアちゃん」

「そうだね、で・・その手に掴んでいるスカートどうする気?」

「またか!」

 すぱぱん!

「痛!?・・だってさ~気になるじゃん」

「なにが?」

「尻尾」

 ・・しっぽ?

「スカート中ではえてるのかなって」

「変態!!!」

 ゴス!

「ウィルシア、こんな所にいたか」

「父上なんか用?」

「あぁ、予言爺のいうことでは、近々むこうが国に攻め込んでくるらしい」

「確率は65%」

「うーん、微妙ですなー」

「戦争?」

 不安な気持になり、聞くとシアが手を振った。

「小競り合いだよ~」

「本当?良かった・・ってなんでララさん倒れてるの?」

「み、耳・・ぷぷぷ、似合ってるもうずっとソレでいたら?」

「嫌ですよ!」

 人が真面目に心配しているのに、何しとるかこの人わ

「心配する必要なんて無いわよ、マリアンヌ、わが国の魔軍は強いもの。ねーレイモンド」

「あぁ、だが万能ではない、油断すれば負ける・・肝に銘じておくんだ。いいなウィルシア」

「了」

 指をマリアンジェラのほうに向けて鳴らした。

「解」

 ぽふ、魔法が解けた。耳がもとの普通の耳にもどった。

 良かった・・。

「食事の前に私は庭の手入れをしてくるわ」

「手伝おう」

「ありがとうレイモンド・・じゃあね」

 二人の仲の良い夫婦は去っていった。マリも読書を開始しようと椅子に座ったが、ウィルシアが机の上に座ったままだった。

「・・何?」

「うん」

「・・いや、うんじゃなくてね?」

「・・えい」

 左手の薬指に金色のワッカが光り、その光が消えたときには、指にピッタリ指輪がはまっていた。

「・・えぇえええええええええ!?」

 なんじゃこりゃー!?

「婚約指輪」

「そんな、まだ私そんな」

「OK貰ってないけどNOも言われてないし、ってことは可能性あるってことでしょ?」

「う・・で、でも」

「俺にしときなよ」

 頬を優しく触れられ、胸が高鳴る。

「ここにいればさ、皆が君が好きだよ・・俺も・・君のこと好きだし」

「そんなことない」

「ないわけない・・少なくとも、君の好きな人に比べればね」

「!!」

 ズキ! 

「もう忘れたほうがいい!」

「嫌!」

「やっほーふったりっともー!遊びにきったよぉ?」

 テルカは二人の雰囲気を読み取って止まった。

「お邪魔だったぁ?」

「うん」

「そんなことない!」

 ウィルシアを押して机から落とす。

 たしかに、シーヴァーは・・私を拒絶した。でも今までの想いを消すことはできない・・。

 できないよ 

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