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影姫の暴走奇譚  作者: 綴何
本編
21/71

第二十章

 どうしよう、どうしよう

「あーっはっはっはっは」

「!?」

 ウィルシアはいきなり大笑いを始めた。

「ははははは!ひーひー・・真っ赤になってどうしようって顔して・・分かりやすくて、かーわいー」

「な」

 顔を抑える、そんなに分かりやすかったのだろうか?

「マリアンヌは気がついてなかっただろうケド、この国に来てからだいぶ表情柔らかくなったよ」

「え?」

 そうなの?

「やっぱりさ、マリアンにはさこの国が一番あってんですよ」

 ウィルはにっこりと笑いながら言った。

「ついでに俺と結婚しよう」

「大事なことをついでで片付けないで!?」

 その突っ込みを聞いてララーニジアも大笑いを始めた。

 もう、この親子は愉快なのはいいが、楽観過ぎる

「だ、駄目」

 一生懸命否定する。

「だって私、人質だし」

「そう思う?」

 ウィルの言葉に驚いた。まるでその言い方・・違うの?

「お前の国の王は、どうやらお前を救出する気はないようだぞ?」

 え・・?

「お前の国は俺の国をどう潰すかで策を練っている、どうもお前を助ける気は無いようだ」

「それって・・じゃあ私」

「あぁ」

 王様は目だけ憐れんだ顔をしているが口が笑っていた。

「切り捨てられたな」

 泣きそうになった・・。

「・・」

 結局私は影姫だもんね

「だからさ」

「ヤダ」

 即答

「それはそれ、コレはこれ」

「ありゃ残念・・でもさ、考えといてよ」

「そういえばさ、ミケーレだっけ?浮気相手の息子」

「あぁそうそう」

 いいの?正妃様がいらっしゃるのに浮気の話して

「ミケーレって?」

「ん?ミケーレって言うのはね、君と結婚する前の一夜妻との子だよ」

「へぇーようやりなさったなぁー」

 ・・駄目だ、突っ込みどころがいっぱいある

「あの、浮気って・・正妃様9歳ですよね?」

「実はな生まれる前から婚約していたんだ」 

 ますますもって不可解

「占いが得意なんだよ王様の一族は、王様は15歳のときに運命の女性を占ったらまだ生まれてなかった。だから予約したってこと」

 いやいや・・まぁいいや

「義兄様を、本当に王様になさるおつもりですか?」

「うんにゃ?」

 否定した

「・・あ」

 そうだった、この人たち義兄様を生贄にするつもりなんだった

「あの、お願いですから」

 手を組む

「義兄様を生贄になんてしないで・・どうせ義兄様のことどうでもいいと思っているのでしょう?だったら構わないであげてください」

「あん?やだよ」

 王様は駄々をこねる子どもみたいな口調で言った。

「パンドラの扉の向こう、どうなっているか知っているか?」

「さぁ?」

「魔法使いって言うのもんは、好奇心が恐ろしく強くてな。見返りとか犠牲とかそんなのどうでもいいぐらい、自分の頭の中を知識で埋めたいんだ」

 知っているけれど・・

「それでな、あの扉を開けるにはどうしても高貴なる生贄が必要なんだよ、ミケーレなら両方の国の王族の血を引いているだろう?しかも嫌われているときた!ぴったり」

「ばふ!」

「わー!」

 ウィルシアがマリを押さえた。

「まって!お願い・・一発。一発だけでいいから殴らせて!」

「落ち着いてー!」

 殴らせて! 

 当の王様は陽気に笑っていた。

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