第十九章
「王宮に何しに行くんですか」
「決まってるじゃない、遊ぶのよ」
王宮に遊びにって軽がるとこうもいともたやすく言える人も珍しいと思う。
「大丈夫、王様は妹にぞっこんだから妹の頼みは何でも聞くわよ」
なのに王様は浮気したんですかと聞きたい。
「それに王様はうちの家に逆らえないのよ、おーほっほほ」
「?」
王様なのに・・?
疑問は沢山あったが気がつけば魔法で馬車の中に移動していた。
「って!私いくと言ってません」
「いいじゃないねぇ?ウィル」
「そうそう」
「ばふ!」
レーガンもいるし・・。
質とはいえ、敵国の女なのにいいのだろうか・・っていうか、途中で魔法でワープするなら馬車に乗る必要ないのでは?!
ついた先は赤いレッドカーペットの上だった。目の前には大きな扉があった
「謁見の間よ」
兵士が二人、敬礼して扉をあけた。常連のようだ・・。
「ルージア!」
「ララー姉上!」
若い姫が現れた、幼い顔立ちが目立つ。
「こちらは我愚息が連れてきたアースグランドの娘、マリアンジェラよ」
「そう、姉上がつれてきたなら安心ね!私はルージアよろしくね」
「はい」
あたまをさげる、と顔を上げると王様が堂々と座っていた。・・王様も若いように見える。よく言えば活発とした、悪く言えばチャラチャラ
「朕はエリオルなり」
何故棒読み
「あのー一つお伺いしてもよろしいでしょうか」
「なんでしょうか」
可愛らしく小首をかしげた。
「おいくつでしょうか・・」
「9歳」
「若!?」
ニコニコとしている。
「王様は?」
「朕は今年29じゃ」
「・・20差」
「王様の別名ロリコン王」
「黙れ!ウィル・・お前こそ隣国の姫なんて攫ってきやがって!」
さっきとは別の口調になった。
「っていうかエリちんもうそろそろ止めたら?王様っぽくするの」
「・・王様じゃないの?」
「ん?王様だけど?でもこの人『朕』とか『せよ』とか王『らしい』っていうのが嫌いなんだってーおっかしいでしょー?」
どちらかというと王様にタメ口聞いているあなたのほうがおかしいと思う。
「エリオルー」
ルージアが王様に抱きつく。
・・うん、やっぱり魔法使いの国って不思議。
「で?ウィル~君はどうなのかね~?ん?」
「んん?」
「誤魔化すなよ、そこのお嬢さんだよ・・エミール攫うの失敗したからって理由でお前が連れてくるわけ無いだろう」
「あの、ミケーレなんだけど・・」
私の義兄さんエミールじゃないんだけど・・。
「まぁーあれですよ」
ウィルシアは此方を見ながら照れくさそうに言った。
「一目ぼれってヤツですヨ」
「え?」
・・一目ぼれ?
誰が・・誰に??
「え?え?え?」
「・・あのね」
ウィルがマリの手を掴んだ。
「俺、最初から・・君を抱いたときから離す気なかったから」
にやっと笑った。
「えー!?」
「なんだ、もうヤッたのか」
「「ただの抱擁!!!」」
もしかしなくても、私・・告白されてしまった・・?
どうしよう!?