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影姫の暴走奇譚  作者: 綴何
本編
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第十四章

『そちらの国に子がいないということだが、此方も男はミケーレ一人しか居らぬ、故にわが国の王にミケーレがなるように事を進めている最中だ。悪いが其方にやることはできぬ』

 話し合いの結果、王様はきっぱり拒絶の意を示した。

 魔法で向こうにいる王様と会話しながら頭をかく。

「とゆーことで、結局断られちゃった」

≪そうか・・まぁ予想内だがね。其方に100人ぐらい送っていたから、もうすぐ着く頃だろうお前は≫

「分かってる、実力行使を実行だしょ?」

 藍色の青年は口元を歪めた。

「ミケーレを拉致する」


・・。


「・・・・」

 マリはこっそりとミケーレの部屋をのぞく

「・・まだ・・みたい」

 ベットに座って待つ。

 ・・ん?何か騒がしいな?

バァン!!!ビュゥォォォォオオ!!!

「きゃ」

 部屋の中を風が駆け回った。

「ミケーレちゃん、こんばんわ~・・あり?」

「・・お前は魔法使い!」

 ウィルシアは両手を広げたまま固まった。

「ヨソウガイデース」

 ぼすっと隣に座った。

「君誰?もしかしてミケーレって君?女だったの?」

「・・ミケーレじゃないよ、魔法使いがミケーレに何のよう?」

「ミケーレの部屋にいるけど、君は彼のコレ?」

 小指を立てられた。

「そんなわけない」

 有り得ない有り得ない。ないない

「じゃあ何でここにいるのさ、夜這い?」

「・・殴っていい?いいよね魔法使いだもん」

 そんなことする分けないじゃない・・!影姫って呼ばれるけど立派な淑女よ・・まだ14だけど

「魔法使い魔法使い連呼しないでよ、俺だって名前あるんですけど~ウィル」

「ウィルシア・シーア・・でしょ」

「・・にひ、君は?」

「マリアンジェラ・アナスタジア」

「長!」

「そんなに長くないよ!」

 どうしてだろう、魔法使いは忌み嫌うものだと教えられたけど、会話してみたら面白いかもしれない。魔法使いといっても普通の人と同じだし・・。

「見つけたぞ魔法使いめ!」

「ありゃ!みつかっちった?」

 兵士がぞろぞろとミケーレの部屋を包囲した。

 これって私もやばいよね?


・・。


「魔法使いがミケーレ様の部屋にいるんですって!」

「えー!ミケーレ様はご無事なの?」

「それが、何故かミケーレ様じゃなくてマリーがいるらしいわ」

「・・なんで?」

 女官たちの噂をくぐり抜けるように、インファが走ってきた。

「シーヴァー!ミケーレ様は?!」

 兵士の群れの中からシーヴァーはゆっくりと現れた。

「インファ!何事なんだ」

 どこかにいっていたらしく、事情を把握できていない二人。ステラはそーっと二人から離れようとしたがインファに首根っこを掴まれた。

「ミケーレ様をご存じない!?」

「えー?えーっと存じるような存じないような」

「どっちなの!・・あれ?その子は」

「か、彼女は入ったばかりの・・えーと、ルイーザといって・・そのぉ」

「ルイーザァ?」

 インファは見たことのアル少女を見つめた、彼女はそれどころではないという感じに真っ青な顔をしている。ステラは汗をたらたらと流していた。 

 綺麗な髪の長い・・麗しい容姿の愁い顔の美少女だった。不安げな顔でステラの手を握った。

「どうしようステラ!マリが、マリが危ないよ」

「その声・・」

 シーヴァーが呟くと

「失礼」

 といってルイーザの髪の毛を引っ張った。すると、しゅるんとカツラが取れた。その人はミケーレその人だった。

「ミケーレ様!」

 インファは口を押さえた。

「ぷ、くく、く・・似合ってますね」

 肩が震えてる。ツボに入ったらしい。

「ミケーレ様、お嬢様が危ないとは・・?」

「うわぁああああ!!!」

 兵士達が突風に吹かれて飛んでいった。そして風に舞うように空を浮いているのは藍色の青年で、その腕にはマリアンジェラの姿があった。

「きゃぁぁぁー!?」

「マリアンジェラ!!」

 ステラとミケーレは同時に悲鳴をあげた。

「ぼ、ボクが・・ボクがいけないんだ!女になりたいだなんていったから!」

「・・」

 インファはミケーレを見て倒れた。

「ちょ、女官長殿?・・って笑ってんのかい!」

「・・は!」

 インファもいい加減笑っている場合でないことを思い出した。

「お嬢様!」

 ステラはインファを白い目で見た。

「・・インファ・・ミケーレ様を安全なところにお連れしろ」

「まさか!シーヴァー!」

「押さえるつもりはない」

 インファはミケーレとステラの首根っこを掴んで走り出した。

「みんなーはなれて―――!!!」

 轟ッ!!

 真っ赤な炎がシーヴァーの手に集まった。

「お嬢様を離せ!!」

 ゴォォォ!!魔法使いに向かって放たれた炎がツルギに変わり魔法使いに襲い掛かったが、魔法使いは驚いた顔をして緊急回避した、が・・マリは離さなかった。

「うきゃぁあああ!?」

「おっとっと、マリアンジェラちゃん首絞まってる!」

 落とされまいとマリはウィルシアにしがみついた。

「・・(むか)」

 ゴォォォ、さっきの攻撃とは違う炎が燃え上がった。

「ミケーレの代わりにこの子頂いていくよん」

 魔法使いはにやりと笑うと鳥に姿が変わり、マリを掴んだまま飛んで行った。

「えぇぇええええええええ――――!?」

 な、ん、でぇえええええええええええ

ミケーレの秘密

女の子になりたいルイーザちゃん


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