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ありふれたひと時に、微笑みを  作者: 白熊 猫


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8/20

第8話 おふたりさまビーフシチュー

ゆるやかでほっこりした日常系の話を書いてます。

1話あたり2~3分で読める短いショートショート形式で、基本的にどの話からでも楽しめるようにしていく予定です。

楽しんで読んでもらえると嬉しいです。

「空お兄ちゃん!今日は二人でデートしよう!」

「うーん。うん。二人もたまにはいいかもな。」

葵にはいつも迷惑をかけてばかりだから、今日は美羽に一人で羽を伸ばしてもらうのもいいかもな。

「やった! 空お兄ちゃんとデートなの!」

朝からテンションの高い美羽と一緒に街へ出る。

「どこに行きたい?」

「猫カフェ!猫カフェに行ってみたいの!」

ツインテールをぴょこんと跳ねさせ、小さな手をぎゅっと握ってくる。

柔らかな日差しと心地よい風が街を包んでいた。

猫カフェに着くと、ガラス越しに日なたで丸くなっている猫たちが見えた。

「わあ……ねこちゃん、いっぱい!」

靴を脱ぎ、手を消毒して店内に入ると、毛並みの良いスコティッシュフォールドが近づいてきた。

「お兄ちゃん、見て!この子、ふわふわー!」

美羽は目を輝かせ、猫の頭をそっと撫でる。

小さな手の上で猫が喉を鳴らすと、美羽はくすぐったそうに笑った。

「お兄ちゃんも触ってみて。」

「お、おう。」

軽く撫でると、猫がごろりと転がり、足の上に乗ってきた。

「……重いけど、かわいいな。」

「ねこちゃん、お兄ちゃんのこと好きなんだよ!」

嬉しそうな笑顔に、自然と頬がゆるむ。

店内には他にもたくさんの猫がいて、気ままに歩き回ったり、客の膝で眠ったりしていた。

美羽は膝に猫を乗せたまま、そっと囁く。

「ねえ、お兄ちゃん……この子、おうちに来てくれたらいいのにね。」

「そうだな。でも、この子たちにとってはここが一番落ち着くお家だからね。」

「うん……また会えるよね?」

「もちろん。また来よう。」

「うん!」

その言葉に、美羽はにっこり笑って頷いた。

カフェを出ると、近くの雑貨店には猫のぬいぐるみがずらりと並んでいた。

ふわふわの白猫のぬいぐるみを手に取ると美羽の目が、さらに輝きを増す。

「ねえ、お兄ちゃん!この子、連れて帰っていい?」

「いいよ。大事にするんだぞ?」

レジで会計を済ませると、美羽は両腕でぬいぐるみをぎゅっと抱きしめた。

帰り道、美羽はぬいぐるみを抱えたまま嬉しそうに歩く。

「お兄ちゃん、今夜はこの子と一緒に寝てもいい?」

「いいけど……落とすなよ?」

「大丈夫!」

家に帰ると、玄関から香ばしい匂いが漂ってきた。

「おお、いい匂いだな。」

リビングでは葵がエプロン姿で鍋をかき混ぜている。

「ビーフシチューですよ。じっくり煮込みました。」

テーブルに座ると、湯気立つシチューの香りが心をほぐす。

スプーンで一口すくうと、とろけるように柔らかい肉と野菜の甘みが広がった。

「これは……すごいな。」

「おいしいー!」

美羽も夢中で食べている。

ぬいぐるみが椅子の上にちょこんと座っているのを見て、葵がやさしく微笑んだ。

こうしてみんなで食べるご飯は本当に最高だ。

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