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ありふれたひと時に、微笑みを  作者: 白熊 猫


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6/20

第6話 はじめてのホットケーキ

ゆるやかでほっこりした日常系の話を書いてます。

1話あたり2~3分で読める短いショートショート形式で、基本的にどの話からでも楽しめるようにしていく予定です。

楽しんで読んでもらえると嬉しいです。

今日は、空お兄ちゃんに「美羽が作ったホットケーキ」を食べてもらう特別な日!

朝から胸がそわそわして、なんだか心臓がいつもより早くドキドキしている。

「じゃあ、美羽ちゃんがメインシェフね。」

葵お姉ちゃんがにっこり笑ってそう言ってくれた。

その笑顔に、ちょっと勇気がわく。

……よし、がんばる!

まずはボウルにホットケーキミックスをざらざらっと入れる。

白い粉がふわっと舞い上がって、鼻の先がむずむず……くしゃみが出そうになって、あわてて我慢した。

次は卵。

小さな手で持ち上げて、コツン、とボウルの端に当てる。

……あっ、力を入れすぎちゃった。

「わっ……!」

殻がちょっと中に落ちちゃった。

「大丈夫、大丈夫。お姉さんが取ってあげるね」

葵お姉ちゃんがスプーンですくい上げてくれて、私はほっと胸をなで下ろす。

次は牛乳をそーっと注ぐ。

白い液体がとろりと流れ込んで、ホットケーキミックスと卵に混ざっていく。

木べらでくるくる混ぜるたび、甘くてやさしい香りがふわーっと広がる。

「美羽ちゃん、いい感じだよ。」

「ほんと?ふわふわになるかな?」

「なるよ。空さんがびっくりするくらいの、ふわふわホットケーキにしようね。」

その言葉に胸がぽかっと温かくなった。

いよいよ焼く番だ。

熱したフライパンに生地をおたまで丸く落とすと、じゅっと音がして、ぷくぷく小さな泡が浮かんでくる。

「わぁ……生きてるみたい!」

「それが焼けてきた合図だよ。ひっくり返そうね。」

えいっとひっくり返す。

ちょっとズレちゃったけど、大丈夫だよね?

ひっくり返した面には、きれいなきつね色が広がっていた。

焼き上がったホットケーキをお皿にのせて、バターをどんと置く。

じんわり溶けて、黄金色の表面に光が広がる。

最後にメープルシロップをとろーっとかければ、完成! 甘い香りがキッチンいっぱいに広がる。

「おはよう、美羽。いい匂いだな。」

空お兄ちゃんがリビングに入ってきた。

私は胸を張って、お皿を両手で差し出す。

「じゃーん! 美羽がつくったホットケーキ! 食べて!」

空お兄ちゃんは驚いた顔をして、それからやわらかく笑う。

「すごいな。美味しそうだ」

フォークで1口ぱくりと食べたお兄ちゃんの目が、少し丸くなる。

「……うん、美味しい。甘くて、ふわふわだ」

「ほんと!?やったー!」

うれしくて思わずぴょんと跳ねる。

葵お姉ちゃんも笑いながら、「美羽ちゃん、お料理上手だね」と頭をなでてくれた。

空お兄ちゃんはもう1口食べて、ぽんと私の頭に手を置く。

「美羽の作る朝ごはんは最高だな。また作ってくれるか?」

「うん!今度はもっともっと上手に作る!」

甘い香りがまだキッチンに残っている。

ホットケーキのあたたかさと、空お兄ちゃんの笑顔で私の胸の中はぽかぽかになった。

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