表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ありふれたひと時に、微笑みを  作者: 白熊 猫


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

5/20

第5話 おはよう定食

ゆるやかでほっこりした日常系の話を書いてます。

1話あたり2~3分で読める短いショートショート形式で、基本的にどの話からでも楽しめるようにしていく予定です。

楽しんで読んでもらえると嬉しいです。

目覚ましの音が鳴り響き、まぶたの裏に朝の光が差し込む。

カーテン越しの柔らかな陽が、部屋の中を淡く染めていた。

「……もう起きないと。」

ぼそりとつぶやきながらベッドから身を起こす。

隣では、美羽が毛布にくるまったまま、まだ夢の中にいる。

ふわりと揺れるツインテール。

小さな手で目をこすりながら、ゆっくりと背伸びをする姿が、あまりにも愛らしくて思わず笑みがこぼれた。

キッチンに入ると、葵がエプロン姿で朝食の準備をしていた。

白い皿を並べる手元は迷いがなく、パンをトースターに入れると、すぐに「じゅっ」と軽やかな音が響く。

溶けたバターの香りがふわっと広がり、まだぼんやりしていた頭が一気に覚めていく。

葵はボウルに卵を割り入れ、箸で軽くかき混ぜた。

ふんわりとした黄色の液体がフライパンの上でじゅわっと広がり、弱火でゆっくりと固まりながら、やがて柔らかなスクランブルエッグへと姿を変える。

隣でベーコンをカリッと焼き上げ、ミニトマトを水で流して添える葵の手際は、見ているだけで惚れ惚れするほどだった。

「おはようございます、空さん。」

「おはよう……いい匂いだな。」

そんなやり取りの最中、小さな足音が廊下から近づいてくる。

「んー……おはよ……。」

まだ寝ぼけ眼の美羽がヨロヨロと顔を出す。

その姿に葵がやわらかく笑う。

3人でテーブルにつくと、葵がそれぞれの皿にスクランブルエッグとベーコン、トーストを手際よく取り分けていく。

「はい、どうぞ。」

差し出された皿を受け取り、1口食べた瞬間、ふわっとした卵の甘みと、香ばしいバターの香りが口いっぱいに広がった。

ベーコンの塩気がちょうどいいアクセントになり、添えられたフルーツの酸味が後味を優しく締めてくれる。

「んんっ、おいしー!」

フォークを握る美羽が、目を輝かせながら笑う。

「ふふ、いっぱい食べてね。」

葵がその頭を優しく撫でると、美羽は嬉しそうに頬をほころばせた。

気づけば、窓の外の光は一層明るくなっている。

穏やかな朝の空気の中で、3人の1日が静かに動き出そうとしていた。

葵や美羽のためにも今日も1日頑張ろうと思う。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ