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ありふれたひと時に、微笑みを  作者: 白熊 猫


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4/20

第4話 ほんわかクレープ

ゆるやかでほっこりした日常系の話を書いてます。

1話あたり2~3分で読める短いショートショート形式で、基本的にどの話からでも楽しめるようにしていく予定です。

楽しんで読んでもらえると嬉しいです。

週末のショッピングモール。

私たちはアパレルショップの扉をくぐった。

入り口で、美羽ちゃんが小さくぴょんっと跳ねて目を輝かせる。

「わー!いっぱいあるー!どれにしようかな!」

その小さなジャンプに、思わず私も笑ってしまう。

空さんは落ち着いた足取りで店内を見渡し、私にそっと声をかけた。

「葵、どの色が合うと思う?」

私は笑いながら、彼の隣でシャツを手に取る。

「このブルー、落ち着いてていいと思いますよ。」

空さんは小さく頷き、照れたように目をそらす。

その仕草が、なぜかちょっとかわいく見える。

美羽ちゃんは手に取れるだけ洋服を抱え、楽しそうに試着室へ駆け込む。

「葵お姉ちゃん、これ着てもいい?」

「もちろん。でも、お店のものだから汚さないように気をつけてね。」

膝丈のワンピースに着替えた美羽ちゃんは、鏡の前でくるくる回り、ツインテールをふわふわ揺らして満足そうに笑った。

「どう?かわいい?」

その笑顔に、思わず頬が緩む。

空さんは数枚のシャツを見ながら悩む。

「これ……いや、こっちかな。」

「試着してみたほうが早いですよ。」

私の言葉に、彼は少し照れくさそうに頷き、試着室へ入って行った。

しばらくして現れた空さんを見ると、美羽ちゃんの目がまん丸になり、思わず小さな拍手が飛ぶ。

「かっこいい!空お兄ちゃん、そのシャツ似合う!」

空さんは照れ笑いを浮かべながら少し肩をすくめ、私の方に目を向ける。

私もつられて微笑む。

二人の無邪気なやり取りは、いつも胸がほっこりする。

買い物を終えた私たちは、ショッピングモール内のクレープ屋さんに立ち寄った。

ショーケースには苺やバナナ、リンゴが彩りよく並び、甘く香ばしい香りが漂っている。

「どれにする?」

美羽ちゃんは迷わずチョコバナナを指差しながら叫ぶ。

「私、これ!」

空さんは少し考え、苺とチョコソースの組み合わせを選んだ。

「葵は?」

「私はバターシュガーにしようかな。」

注文を済ませると、店員さんが薄く焼かれた生地にたっぷりのクリームとフルーツを巻き、チョコソースや粉砂糖で丁寧に仕上げてくれる。

「いただきます!」

三人で同時に頬張ると、口の中は幸せでいっぱいになった。

美羽ちゃんは口の周りにチョコクリームをつけながら、にこにこ笑う。

「おいしー!」

空さんはその様子を見て微笑み、そっと私の手を握った。

「こういう時間も、いいね。」

私も小さくうなずく。

甘くて少し冷たいクレープを味わいながら、肩を寄せ合って歩く午後。

三人で過ごす、何気ない日常が、そっと私の心を温めてくれた。

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