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ありふれたひと時に、微笑みを  作者: 白熊 猫


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13/20

第13話 お勉強とホットココア

ゆるやかでほっこりした日常系の話を書いてます。

1話あたり2~3分で読める短いショートショート形式で、基本的にどの話からでも楽しめるようにしていく予定です。

楽しんで読んでもらえると嬉しいです。

午後の陽ざしがやわらかく差し込むリビングで、美羽ちゃんが机に向かっていた。

ひらがなの練習帳にまだ少し大きめの字で「な、に、ぬ、ね……」とえんぴつを走らせる。

「……あれ? なんか変な形になっちゃった。」

小さな眉をきゅっと寄せて、消しゴムでこすっては書き直している。

「上手よ、美羽ちゃん。前よりずっときれいに書けるようになってる。」

「ほんと?」

「本当よ。本当に上手。ゆっくりでいいから、丁寧に書こうね。」

私は笑いながら隣に座り、その小さな努力を見守る。

やがて美羽ちゃんの手が止まり、ぷくっと頬をふくらませた。

「もう疲れた……。」

「そろそろ休憩にする?」

「する!休憩する!」

元気に手を上げる姿に思わず笑って、私は立ち上がった。

「今日はね、頑張ったご褒美にホットココアを作ってあげるね。」

「ココア!? あまくておいしいやつだ!」

リビングから弾むような声が返ってくる。

私は小鍋に牛乳を注ぎ、弱火にかけた。

スプーン山盛りのココアパウダーと、ほんの少しの砂糖。

ゆっくり混ぜるたび、ふわりと甘い香りが立ちのぼる。

混ざりあったところで火を止め、マグカップに注ぐ。

最後に小さなマシュマロをひとつ浮かべて、できあがり。

「はい、美羽ちゃん。熱いから、気をつけてね。」

「わぁ……いい匂い!おいしそう!」

カップを両手で包み込む小さな指先が、ほのかに赤く染まっている。

「ふー、ふー……あまい!おいしい!」

「よかった。少し休んだら、もうちょっと頑張ろうね。」

「うん!」

私も自分のカップに口をつけた。

あたたかな甘さが喉を通るたび、胸の奥までぽかぽかとほどけていく。

窓の外では小鳥がさえずり、午後の光がゆるやかに流れていた。

「ねえ、葵お姉ちゃん。」

「なに?」

「葵お姉ちゃんと一緒に勉強するの、好き。」

その言葉に、胸の奥がじんわりと温まる。

「ありがとう、美羽ちゃん。私も一緒に頑張るの、大好きだよ。」

ココアを飲み終えると、美羽ちゃんは再び机に向かい、えんぴつを握った。

今度は背筋をぴんと伸ばし、真剣な表情で。

「は……ひ……ふ……」

小さくつぶやきながら書く姿が、なんとも愛おしい。

ココアの香りに包まれたまま、穏やかでまったりとした午後のひとときが流れていった。

新作を書きました。

恋愛小説です。

1話目5分ぐらいで読める話にしてるので、ぜひこちらも読んでください!


新作 恋愛秘密クラブ

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