ジェネリア家のティータイム
ヌヌとらぶが庭で遊び疲れた頃、執事のマギが声をかけた。
「らぶ様、ヌヌ様、お疲れ様でした。ティータイムの準備ができております」
「やったー!お茶の時間だ!」
ヌヌが嬉しそうに駆け出す。
「僕様も甘いものが欲しかったのだ!」
らぶも後を追った。
応接室では、美しいティーセットが用意されていた。そこにハートも加わって、賑やかなティータイムが始まる。
「今日のお菓子は何なのだ?」
「本日は、ハート様手作りのクッキーをご用意いたしました」
マギの言葉に、ハートが顔を赤くした。
「べ、別に特別じゃないから…普通のクッキーよ」
「ハートちゃんがお菓子作ったの?すごいね!」
ヌヌの素直な賞賛に、ハートはさらに照れる。
「すごくないもん…ただ作っただけ」
しかし、内心では嬉しさでいっぱいだった。
らぶがクッキーを一口食べると、目を輝かせた。
「美味しいのだ!ハートはお菓子作りの天才なのだ!」
「ほ、本当?」
「本当に美味しいよ、ハートちゃん!」
ヌヌも嬉しそうに頷く。
ハートは小さく微笑んだ。普段はネガティブな発言ばかりしている彼女だが、こんな時は素直に喜びを表現できる。
マギがお茶を注ぎながら、温かい目で三人を見守っている。
「ヌヌ様のお茶はミルク多めで…」
「ありがとう、マギさん」
「どういたしまして」
マギの目がハートのようになっているのを、らぶとハートは見逃さなかった。
「マギ、また顔がおかしいぞ」
「あー、マギったらヌヌに夢中になってる」
「そ、そんなことは…」
マギが慌てて否定するが、誰の目にも明らかだった。
「でも、マギさんはいつも僕たちのこと大切にしてくれるよね」
ヌヌの言葉に、マギの表情が和らぐ。
「ヌヌ様…」
「僕様たちの大切な執事なのだ」
「私も…マギには感謝してるわよ」
ハートも素直な気持ちを表現する。
マギは感動で涙ぐんだ。
「皆様…私こそ、この家族の一員でいられて幸せです」
ティータイムは、ジェネリア家の絆を深める大切な時間だった。
「また明日も一緒にお茶しようね」
「もちろんなのだ!」
「…まあ、悪くないかも」
四人の笑い声が応接室に響く。
外では夕陽が窓を照らし、平和な一日の終わりを告げていた。
この穏やかな日常が、彼らにとってどれほど貴重なものか、まだ誰も知らない。