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少年少女大戦  作者: セイセイ
第一章:カラフル編 - 色彩の侵食者
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ジェネリア家のティータイム

ヌヌとらぶが庭で遊び疲れた頃、執事のマギが声をかけた。


「らぶ様、ヌヌ様、お疲れ様でした。ティータイムの準備ができております」


「やったー!お茶の時間だ!」


ヌヌが嬉しそうに駆け出す。


「僕様も甘いものが欲しかったのだ!」


らぶも後を追った。


応接室では、美しいティーセットが用意されていた。そこにハートも加わって、賑やかなティータイムが始まる。


「今日のお菓子は何なのだ?」


「本日は、ハート様手作りのクッキーをご用意いたしました」


マギの言葉に、ハートが顔を赤くした。


「べ、別に特別じゃないから…普通のクッキーよ」


「ハートちゃんがお菓子作ったの?すごいね!」


ヌヌの素直な賞賛に、ハートはさらに照れる。


「すごくないもん…ただ作っただけ」


しかし、内心では嬉しさでいっぱいだった。


らぶがクッキーを一口食べると、目を輝かせた。


「美味しいのだ!ハートはお菓子作りの天才なのだ!」


「ほ、本当?」


「本当に美味しいよ、ハートちゃん!」


ヌヌも嬉しそうに頷く。


ハートは小さく微笑んだ。普段はネガティブな発言ばかりしている彼女だが、こんな時は素直に喜びを表現できる。


マギがお茶を注ぎながら、温かい目で三人を見守っている。


「ヌヌ様のお茶はミルク多めで…」


「ありがとう、マギさん」


「どういたしまして」


マギの目がハートのようになっているのを、らぶとハートは見逃さなかった。


「マギ、また顔がおかしいぞ」


「あー、マギったらヌヌに夢中になってる」


「そ、そんなことは…」


マギが慌てて否定するが、誰の目にも明らかだった。


「でも、マギさんはいつも僕たちのこと大切にしてくれるよね」


ヌヌの言葉に、マギの表情が和らぐ。


「ヌヌ様…」


「僕様たちの大切な執事なのだ」


「私も…マギには感謝してるわよ」


ハートも素直な気持ちを表現する。


マギは感動で涙ぐんだ。


「皆様…私こそ、この家族の一員でいられて幸せです」


ティータイムは、ジェネリア家の絆を深める大切な時間だった。


「また明日も一緒にお茶しようね」


「もちろんなのだ!」


「…まあ、悪くないかも」


四人の笑い声が応接室に響く。


外では夕陽が窓を照らし、平和な一日の終わりを告げていた。


この穏やかな日常が、彼らにとってどれほど貴重なものか、まだ誰も知らない。

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