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少年少女大戦  作者: セイセイ
第一章:カラフル編 - 色彩の侵食者
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王様らぶと親友ヌヌ

場面は変わり、ジェネリア家の庭園。若き王様らぶは、親友のヌヌと過ごすひと時を楽しんでいた。


「ヌヌ、今日は何をして遊ぶのだ?」


「うーん、鬼ごっこはどう?」


「鬼ごっこか!僕様は足が速いのだぞ!」


らぶは王としての重圧を感じる日々を送っているが、ヌヌと一緒にいる時だけは普通の少年に戻ることができた。


「僕は最強なのだ!」と強がりを言うらぶに、ヌヌは屈託のない笑顔で「うん、らぶはすごいよ!」と返す。


二人の間には、身分を超えた固い友情があった。


「ねえらぶ、王様って大変?」


ヌヌの純粋な質問に、らぶは少し考え込む。


「…大変だぞ。みんなが僕様に期待してるし、立派でいなくちゃいけないし」


「でも、らぶはらぶでいいんじゃない?」


「らぶはらぶ?」


「うん!僕はらぶのことが好きだよ。王様だからじゃなくて、らぶだから」


らぶの目に涙が浮かぶ。こんなことを言ってくれるのはヌヌだけだった。


「ヌヌ…ありがとうなのだ」


「どういたしまして!」


その時、庭の向こうからハートがこちらを見ているのに気づいた。


「あ、お姉ちゃんだ」


「ハートも一緒に遊ぶのだ!」


らぶが手を振るが、ハートはすぐに隠れてしまった。


「あれ、どうしたんだろう?」


「ハートは恥ずかしがり屋だからな。でも、本当は僕たちと遊びたいと思ってるはずなのだ」


らぶはハートの気持ちを理解していた。実の兄妹として、お互いを大切に思っているのだ。


「今度、ハートちゃんも一緒に誘ってみようか」


「それはいい考えなのだ!きっとハートも喜ぶぞ」


二人は楽しそうに走り回り続ける。


その様子を窓から見ていたマギが、温かい微笑みを浮かべていた。


「ヌヌ様、本当に可愛らしい…じゃなくて、らぶ様とヌヌ様の友情は素晴らしいですね」


執事として、そして一人の青年として、マギは彼らの純粋な友情を心から応援していた。


庭園に響く笑い声は、ジェネリア家に新しい風を運んでいるようだった。


「僕様とヌヌは永遠の親友なのだ!」


「うん!ずっと一緒だよ!」


二人の友情は、これから起こる様々な困難を乗り越える原動力となっていく。


しかし、まだ彼らはその時の自分たちが、どれほど貴重な時間を過ごしているのか知る由もなかった。

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