グレーケルベロスのミーティング
暴走したシルBOWをなんとか鎮めた後、グレーケルは緊急ミーティングを招集した。
「はい、それでは今日のミーティングを始めます」
会議室に集まったのは、グレーケル、ベロス、レトリバー金、ヌシP、そしてシルBOW。
「議題は『今後の活動について』です」
グレーケルが資料を配るが、早速ヌシPが立ち上がった。
「その前に、アタクシの新しい回転技を披露させてください!」
「座りなさい」
「美は待ってくれません!」
「ミーティングも待ってくれないのよ」
ヌシPを強制的に座らせると、今度はシルBOWが発言した。
「会議室での小規模な爆発なら可能ですが、いかがでしょうか」
「却下」
「そんな…」
レトリバー金が手を上げる。
「あたしから提案があるんだけど、新しい実験設備の導入を…」
「却下。予算がないの」
「えー」
ベロスだけが真面目に聞いている。
「お姉ちゃん、今後の活動って具体的にはどんなこと?」
「ええと…」
グレーケルは資料を確認する。しかし、集まったメンバーの顔を見ると、何を話せばいいのかわからなくなってきた。
「アイドル活動…よね?」
「そうです!アタクシがプロデュースする最高のアイドルユニット!」
「でも爆発の演出も重要です」
「科学的なステージも面白そうだな」
「みんなで楽しくできればいいよね!」
話がまったくまとまらない。
「えーと、つまり…」
グレーケルが頭を抱える。
「要するに、みんなでワイワイやりたいってことでしょ?」
ベロスがシンプルにまとめると、全員が頷いた。
「それでいいじゃない!」
「美も科学も爆発も、全部一緒にやりましょう!」
「最高のカオスですね」
「アタクシの芸術性も加わって完璧です」
結局、何も決まらないまま時間だけが過ぎていく。
「はあ…今日のミーティングはここまでにしましょう」
グレーケルがため息をつくと、ベロスが慰めるように言った。
「お姉ちゃん、無理に決めなくてもいいんじゃない?みんなが楽しければそれでいいよ」
「そうね…確かにそうかもしれない」
グレーケルは微笑んだ。真面目に考えすぎていたのかもしれない。
「じゃあ、今度からはもっと自由にやりましょう」
「やったー!」
「爆発し放題ですね」
「実験し放題だ」
「回転し放題です」
「…やっぱり少しは制限が必要かも」
グレーケルは再び頭を抱えたが、その顔には苦笑いが浮かんでいた。
まともな話し合いにはならなかったが、仲間たちの絆は確実に深まっていた。