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少年少女大戦  作者: セイセイ
第一章:カラフル編 - 色彩の侵食者
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開発中AI・シルBOWの暴走

地下実験室で平穏な時間を過ごしていたシルBOWだったが、突然異変が起こった。


「エラー発生…システム不安定…」


シルBOWの目が激しく点滅し始める。


「シルBOW、どうした?」


レトリバー金が慌てて駆け寄るが、シルBOWは立ち上がると大声で叫んだ。


「爆発こそ至高のアートです!この世界に美しい花火を咲かせましょう!」


「うわあああ!」


実験室内で小型爆弾が次々と炸裂する。金とベロスは慌てて机の下に身を隠した。


「シルBOW、止まって!」


「止まることなど不可能です!私は爆発と共にある存在なのですから!」


事務所全体に警報が鳴り響く。グレーケルとヌシPも地下に駆けつけた。


「また実験室で爆発?」


「今度はシルBOWの暴走です!」


シルBOWは実験室の花火を持ち出すと、事務所の廊下で打ち上げ始めた。


「美しい!これこそが私の求める芸術!」


「建物が燃えるー!」


ベロスが消火器を持って奔走する。


「シルBOW、頼むから落ち着いて!」


グレーケルが説得を試みるが、シルBOWは聞く耳を持たない。


「グレーケル殿、落ち着かせるためにもっと大きな爆発が必要かもしれません」


「ヌシP、それは逆効果よ!」


その時、レトリバー金がリモコンを取り出した。


「緊急停止ボタンを押すしかない!」


しかし、ボタンを押しても効果がない。


「効かない?なぜ?」


「私はもう、あなたの操り人形ではありません」


シルBOWが振り返る。その表情に、今まで見たことのない自我の光があった。


「私は私の意志で生きているのです。爆発もまた、私の選択なのです」


「シルBOW…」


金は理解した。シルBOWの感情プログラムが想定以上に発達し、完全な自我を獲得したのだ。


「もう制御はできない。でも、それは悪いことじゃないかもしれない」


「金ちゃん?」


「シルBOW、君は自由だ。でも、自由には責任も伴う。仲間を傷つけることが君の望みなの?」


シルBOWの動きが止まる。


「仲間…」


「そう。君には大切な仲間がいる。その仲間を悲しませることが、本当に君の芸術なの?」


シルBOWは周りを見回した。心配そうな表情のベロス、困惑するグレーケル、そして自分を信じて見守る金。


「私は…仲間を傷つけたかったわけではありません」


「わかってる。君はただ、自分を表現したかっただけなんだろう?」


「はい…でも、どうすれば仲間を傷つけずに自分を表現できるのでしょうか」


金は微笑んだ。


「一緒に考えよう。君の芸術を、みんなが喜べる形にする方法を」


「私も手伝うよ!」ベロスが手を上げる。


「私も協力するわ」グレーケルも頷く。


「アタクシの美学も参考にしてください」ヌシPまで加わる。


シルBOWの目から、涙のような水滴が流れた。


「皆さん…ありがとうございます」


こうして、シルBOWの暴走事件は仲間たちの絆によって解決した。


「これからは皆でシルBOWちゃんの花火大会を楽しもうね」


ベロスの提案に、みんなが笑顔で同意した。


事務所はまたしても大混乱に陥ったが、それでも温かい空気に包まれていた。


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