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少年少女大戦  作者: セイセイ
第一章:カラフル編 - 色彩の侵食者
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カラフルプロダクションの朝

朝日が差し込む「カラフルプロダクション」の事務所に、今日も元気な声が響く。


「こんにちわんだふるー!」


ベロスの声と共に、事務所のドアが勢いよく開かれた。金色の髪を風になびかせながら、彼女は廊下を駆け抜ける。その後ろから、グレーケルがほんのり微笑みながら続いていく。


「おはよう、ベロス。今日も元気ね」


「お姉ちゃん!今日もいいお天気だよー!みんなにご挨拶しに行くね!」


ベロスは犬のような嗅覚で、まず地下の実験室へと向かった。階段を駆け下りると、案の定怪しい煙と共に爆発音が響く。


「レトリバー金ちゃーん!おはよー!」


「あ、ベロス。おはよう。ちょうどいいところに来てくれたね」


白衣を着た科学者のレトリバー金が振り返る。その隣では、銀髪のAI・シルBOWが何やらぶつぶつ呟いている。


「今日は朝から絶好調です。爆発の威力を12.5%向上させることに成功しました」


「シルBOW、それって故障じゃ…」


「故障ではありません。これが私の個性というものです」


ベロスは首をかしげながらも、いつものように明るく笑った。


「えへへ、よくわからないけど、シルBOWちゃんも元気でよかった!」


その時、上の階から奇妙な音楽が聞こえてくる。


「まわれ、まわれまわれまわれ!」


ベロスは目を輝かせた。


「あ!ヌシPのダンスの時間だ!見に行こう!」


階段を駆け上がると、事務所の中央でヌシPが全裸でくるくると回転している。その姿に、レトリバー金は顔をしかめ、シルBOWは無表情のまま分析を始める。


「アタクシの美学に従い、今日も完璧な回転を実行中です!」


「ヌシP、せめて服は着てください」


グレーケルがため息をつきながら、バスタオルを差し出す。


「美には制約があってはならないのです、グレーケル殿」


「規則にも制約があります。特に公然わいせつの部分に」


いつものやり取りを眺めながら、ベロスは尻尾を振るように体を揺らした。


「みんなー!今日もミーティングしよー!」


こうして、カラフルプロダクションの騒がしい一日が始まった。グレーケルは山積みの書類を見つめながら、胃薬のボトルに手を伸ばす。


「今日も長い一日になりそうね…」


しかし、彼女の表情はどこか愛おしそうだった。この個性的すぎる仲間たちと過ごす日々が、彼女にとってかけがえのない宝物だったから。


事務所の窓から見える青空のように、今日という新しい一日が始まろうとしていた。


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