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飛んで火に入る恋の虫  作者: 宙色紅葉(そらいろもみじ) 週1投稿


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ホクホクの体と心

 結局、二回もギュッと日高に抱き締めてもらった湯山はご満悦だ。

 ニヨニヨと口角を上げながら、日高の肩に頬をくっつけている。


「暑いよ」


 真っ赤な顔で、日高が文句を言う。


「私も。でも、離れないよ」


 湯山もコクリと頷いて、いたずらっぽく笑った。


 日高は、内からも外からも温まり続ける体を抱えて、「全く……」と、口を尖らせた。


 しかし、チラリと横目で湯山の姿を確認し、彼女が満足そうにしているのを見ると、満更でもなさそうな表情になった。


「ふふふ」


 日高に柔らかく頭を撫でられて、湯山が嬉しそうに笑い声を溢す。


『私も体が熱い。けど、幸せ。光星君の体臭が、どこか甘く感じるのも、くっつきたくなるのも、頭を撫でられるのが、無性に心地よいのも、きっと好きだってことだと思うから、嬉しい』


 湯山は本能的な人間だ。


 嫌いだと思う人間とは、話すだけで心のどこかが不快になっていたし、好きではない男性の匂いは臭くてたまらなかった。


 以前、格好つけた男性の友人に頭を撫でられた時は、背筋がゾワゾワとして嫌な心地になり、手を叩き落としてやりたくて仕方がなくなった。


 そんな湯山が、身体的にも心理的にも受け入れることのできる相手。


 それは、きっと、彼女にとって恋愛的に愛しい相手に他ならないだろう。


 少なくとも、湯山は、そのように日高を判断し、既に彼を好いている、または、これから非常に好きになることができる可能性を実感して、たまらなく嬉しくなった。


「ねえ、光星君、多分、好きだよ」


 熱く吐息の漏れる口元から不確かな愛をささやく。

 それから、光星の頬に温かで柔らかなキスを落とした。

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