表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
飛んで火に入る恋の虫  作者: 宙色紅葉(そらいろもみじ) 週1投稿


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/17

今すぐ

『なんで、加藤と一緒にいるの?』


 日高からのメッセージは一言であり、文面からは、彼がどのような心持ちで送ってきたのか、皆目検討もつかない。


『光星君? 急にどうしたんだろう。それに、この感じ、もしかして』


 キョロキョロと辺りを見回して、それから、湯山は再びスマートフォンに向き合った。


『光世君、もしかして近くにいるの?』


 問いかけると、すぐにメッセージが既読になり、それから、素早く次のメッセージが送られてきた。


『関係ないでしょ。いいから、質問に答えてよ』


『加藤君は、確かに一緒にいるけど、それがどうかしたの?』


 今度は、すぐに既読がついたものの、しばらく経っても返信がこない。

 不思議そうに首を傾げていると、加藤が無遠慮に湯山のスマートフォンを覗きこんだ。


「誰?」


「光世君。なんか、近くにいるみたい」


 答えながら、加藤からスマートフォンを遠ざける。

 すると、さらに加藤が身を乗り出して画面を覗こうとしてきたので、湯山はスマートフォンを閉じると、胸に抱えた。


「あのさ、人のスマホ見るのやめてくれる?」


「はぁ!? なんだよ! 別に良いだろ、それくらい。見られてやましいもんでもあるのかよ」


「ないけど、加藤君に見られるのが不快」


 ギロリと睨み付ければ、加藤が舌打ちをして、

「なんだよ、つまんねーな」

 と、悪態をつく。


 そうして、静かに雰囲気を険悪にしていると、唐突にスマートフォンが着信音を鳴らした。


 発信者を確認すれば、案の定、日高だった。


「もしもし、光世君、どうしたの?」


「今すぐ、俺のとこ来て」


「光世君のところ? どこ?」


「俺も今、フードコートにいるけど、俺の方は解散になったから、俺の家に行こう」


「光世君のお家?」


「うん。俺、フードコートから一番近い出口のところで待ってるから。今すぐ、来て」


 少し震えた冷たい声。


 内容もそうだが、日高の態度が普段に比べて明らかにおかしい。


 湯山は、内心不安になりながらも、「分かった」と頷いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ